今回のテーマは、「ジェリー・コノリー下院議員(民主党・バージニア州第11選挙区)がみる2016年米大統領選挙」です。コノリー下院議員は、特別代議員の一人でヒラリー・クリントン候補を支持しています。下院外交委員会及び下院監視・政府改革委員会に属し、米下院超党派議員団のメンバーとして、訪日した経験もあります。
2010年2月24日(日本時間25日)に開催されたトヨタ公聴会では、豊田章男社長に対して責任を追及し、感情的になる議員が少なくありませんでしたが、コノリー議員は冷静に事実関係のみを確認していたのが印象的でした。日本とは縁があり、選挙に立候補するまで国際ビジネスマンとして、マツダや旧富士銀行のコンサルタントをしていました。そのコノリー議員がインタビューに応じてくれました。
筆者 「ドナルド・トランプ候補は、アメリカとメキシコの国境に壁を作る」と繰り返し主張しています。
コノリー 「想像してみてください。あなたが住んでいる町では、以前は白人の人口が90%であったとしましょう。ところが、徐々に移民が町に入ってきた結果、白人の人口は50%まで減少してしまいました。あなたは、どのように感じますか」
筆者 「不快に感じたり、怒ったり、恐怖心を持ったりするでしょう」
コノリー 「その通りです。白人の有権者はそのように感じているのです。私の選挙区であるバージニア州北部には(人種や民族の)多様性があります。スーパーチューズデーは、ルビオ上院議員(共和党・フロリダ州)がトランプ候補を破りました。多様性がある選挙区では、トランプは勝てません」
筆者 「トランプ候補は、『アメリカを再び偉大な国に取り戻す』というスローガンを掲げています」
コノリー 「誰から誰に取り戻すのか考えてみてください」
筆者 「非白人の移民から白人に取り戻すという意味ですか」
コノリー 「その通りです」
筆者 「トランプ候補の核となる支持者は、低所得者の白人男性で、学歴は高卒以下です」
コノリー 「低所得よりも教育の要因が大きいでしょう。トランプは間違った情報を与えて、彼らを誤解させています。しかし、彼らはトランプの情報を信じています」
筆者 「学歴が高卒以下の白人男性は、十分な情報を持っていないので、判断できないのではないでしょうか」
コノリー 「そう言えるかもしれません」