ベルギーテロ犯 原子力研究者を監視
「汚い爆弾」製造の狙いか

欧州向けテロ要員600人を訓練 原発従業員もISに加入


佐々木伸 (ささき・しん)  星槎大学客員教授

共同通信社客員論説委員。ベイルートやカイロ支局長を経て外信部副部長、ニュースセンター長、編集局長などを歴任。

WEDGE REPORT

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ベルギーの首都ブリュッセルで起きた同時テロは過激派組織「イスラム国」(IS)の地下ネットワークが欧州に広く存在していることを明るみにし、ISが欧州向けのテロ要員として400人から600人を訓練していたことが分かった。原発施設もテロの標的になっていたことが濃厚で、「新たに出現しつつある脅威」(ファロン英国防相)が欧州を震撼させている。

核情報がISに

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 大規模なテロ要員の訓練情報はAP通信などがフランス議会関係者やイラク情報機関関係者らの話として報じた。シリアやイラクで訓練したことは分かっているが、正確な場所などは明らかではない。

 要員は戦闘、自爆の方法、爆発物の製造・取り扱い、偵察技術などの訓練を受けた。この一部はすでに欧州に潜入していると見られており、ベルギー、フランス、ドイツなどのイスラム教徒の移民社会に同化している可能性が強い。欧州からはこれまでに約5000人のイスラム教徒の若者らがシリア入りしてISに加入し、実戦に参加。その一部は欧州に舞い戻っている。

 今回のブリュッセルでの同時テロの実行者の中にこの訓練を受けた人物がいるかどうかは不明。しかし、欧州に根を張るISのテロ・ネットワークは昨年11月のパリの同時多発テロ以前に考えられていた以上に広範に渡っていたことが日増しに明らかになっており、根絶するには相当の時間が必要だ。

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佐々木伸(ささき・しん)

星槎大学客員教授

共同通信社客員論説委員。ベイルートやカイロ支局長を経て外信部副部長、ニュースセンター長、編集局長などを歴任。

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