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2016年3月30日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。1972年共同通信社に入社、経済分野を取材し編集委員などを経て2010年に退職し、現在は経済ジャーナリスト。

 大学の合格者発表シーズンを迎えて、週刊誌などでは有名大学の高校別入学ランキングなどが報告されている。昨年7月にリポートした京都市立堀川高校が今年も京都大学に多数の合格者を出すなど、公立高校として「成果」を挙げている。まずは、同校の今年の合格者数をみてみると、京大が60人(現役32人、浪人28人)で、昨年度の52人(現役32人、浪人20人)より増やしている。同校は1学年約240人という生徒数の中で、2007年から16年まで毎年(14年を除く)30人以上の現役京大合格者を輩出していることから、全国的にその学習方法が注目されている公立高校だ。

京都大学(iStock)

公立高校ナンバーワン

 今年の京大合格者数が最も多かったのは68人が合格した私立洛南高校。次いで奈良の東大字学園、3位が堀川高校、4位が大阪の府立北野高校。以下、洛星、大阪星光学園と続く。昨年81人が合格して首位だった西大和学園は9位だった。京大合格者はこれまで中高一貫の私立高が毎年、上位を占めてきた。公立高校で健闘しているのは堀川高校と大阪の北野高校だ。

 有名国立大学の中で京大の入試問題はほかの大学と異なる傾向があるため受験対策が難しいと言われてきた。私立受験校では中高一貫方式が流行する中で、3年制の公立高校で合格者数を維持していくのは難しく、堀川高校は学校を挙げて取り組んできた成果が実ったといえそうだ。国公立大学全体で見ると合格者数はほぼ前年並み。地元の私立大学の同志社は67人(現役30人、浪人37人)、立命館には95人(現役47人、浪人48人)が合格している。

 この実績について、同校の谷内秀一副校長は「本校の最高目標は『自立する18歳』を育成することで、その目標を達成するために『探究する力』をつけようと教育活動を展開している。『探究基礎』という総合的な学習の時間を1年半使って活動している。自分で設定した課題に対して仮説をたて、根拠をもとに論証していくという活動。答えのない問いに対して、自分が答えだと思うことを論証する方法を身につけてほしいと思っている。答えを教えてもらうのではなく、自分で作っていくという力だ。

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