世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年4月6日

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 ワシントン・ポスト紙が「ロムニーは大胆にトランプについての真実を語る」との社説を3月3日付で掲げ、ミット・ロムニーがトランプ候補を非難したことを歓迎しています。社説の論旨は次の通り。

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ロムニー、トランプ批判転じるも……

 ミット・ロムニーは、2012年にトランプの支持を喜んで受け入れた人であり、トランプ非難をするのに適しているのか、疑問である。さらに典型的な共和党体制側の人で、トランプへの支持を固めかねない。それに批判は遅すぎた。

 しかしロムニーが真実を語るメッセージを出したのは正しい。他の人も合流すべきである。

 トランプは世論調査で何カ月もトップであるが、毎日、女性、身体障がい者、ムスリム、移民、記者、戦争捕虜などの名誉を棄損している。彼は基本的自由を攻撃し、同意しない人に厄介なことを起こすと言い、憲法のチェックとバランスを無視した約束をしている。

 共和党の指導部は沈黙し、いくつかのけしからぬ発言を非難するにとどまっている。

共和党指導部がトランプに反対する理由

 ロムニーは包括的な批判を行った。トランプは保守主義者にあらずという以上の批判である。ロムニーは、トランプはビジネスでも政治でも自分が言っているような「天才」ではないとしたうえで、中国、メキシコなどとの貿易戦争をはじめ、国を「不況」に引き込む、輸出をダメにする、財政赤字を増やす、同盟者たるべき穏健ムスリムを疎外し、米の安全保障を傷つけると述べた。

 しかし彼のひどい政策が彼に反対する主要な理由ではない。一番危険なのは彼の偏狭な反民主主義的傾向である。彼はメキシコ人やムスリムをスケープゴートにし、拷問を正当化し、テロリストの子供や家族の殺害を呼びかけている。抗議者への攻撃に拍手を送っている。憲法における表現の自由の制限を歓迎している。トランプが代表している脅威は、党やイデオロギーを超えたものであり、許容できない。

 ロムニーは、「トランプがこの批判にどうこたえるかを見てみよう。政策上の違いをいうのか、侮辱で攻撃するか。それで彼の気性、安定性、大統領適格性が判るだろう」と言った。これに対し、トランプはロムニーが2012年にトランプの支持を求めたことを述べたあと、「私はミットにひざまずけと言えただろう、そして、そうすれば彼はひざまずいただろう」と言った。

 これが、あなたが知る必要のあることのすべてである。

出典:‘Mr. Romney boldly tells the truth about Mr. Trump’(Washington Post, March 3, 2016)
https://www.washingtonpost.com/opinions/mr-romney-boldly-tells-the-truth-about-mr-trump/2016/03/03/f726f79c-e189-11e5-9c36-e1902f6b6571_story.html

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