世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年4月21日

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 3月22日にブリュッセルを襲った連続テロについて、フィナンシャル・タイムズ紙は、3月23日付社説で、インテリジェンス共有の改善の必要性、マイノリティ社会についてよく知る必要性などを指摘するとともに、西側の価値を守り安直な抑圧に走るべきではない、と述べています。要旨は次の通り。

セルビア・クロアチア間の国境審査を待つ難民たち(iStock)

ブリュッセルテロで試される欧州

 ISISの犯行声明によれば、今回のテロはローカルな細胞による犯行と思われる。3月18日にパリの連続テロの容疑者アブデスラムが逮捕されたが、これによって彼等も拘束されるに至ることを怖れた連中が計画を前倒しして実行に及んだのかも知れない。

 欧州はイラクからシリア、リビアに至る戦場から逃避するわけにはいかない。そのことはテロだけでなく、難民の波によって明白となっている。EUが長い醜悪な闘争に耐える強靭性を有しているかが試されている。

 緊急に講じられるべき実際上の措置がある。なかんずくインテリジェンスの共有の改善である。ベルギーには入組んだ統治体系のために内部の意思疎通が円滑を欠くという特有の問題がある。しかし、EU全体として、またその同盟国との間で情報共有の強化が必要である。

 また、マイノリティの社会を知る必要がある。それは単にうわべだけの宗教上の繋がりのことではない。満たされず、方向を見失い、ISISに狂った英雄の立場を提示された若者を知ることである。アブデスラムが、捜査対象になっていたにもかかわらず、4カ月も隣人たちに匿まわれていたことは、反省の材料である。

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