ネット炎上のかけらを拾いに

2016年6月14日

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 ジェンダー関連の炎上の中でも不可解な炎上だった。一般社団法人テレコムサービス協会の「ICT女子プロジェクト」である。

そもそも募集意図がよくわからない

 サイト内にあった説明によれば、「ICT女子プロジェクト」とは、「全国津々浦々でICTを用いて活動する女性(ICT女子)を発掘し、彼女達に一層の活躍の場を提供するための取組」。この一環として「ICT48」というグループ、総勢48名(3人×16チーム)のメンバーを募集した。

(*画像はイメージです。Creatas)

 炎上の大きな理由は、このグループの応募資格が「2016年7月1日時点で13歳~24歳」の女性限定だったこと。さらに応募用紙にはアップと全身両方の写真を大きく貼り付ける仕様だった。

 年齢差別であり、実際の業務とは関係ないはずの容姿で判断されるかのような応募用紙であり、炎上要素はふんだんにある。しかし、これまでのジェンダー系の炎上案件と一線を画すのは、そもそもなぜこの内容で子どもを含めた若い女性限定で集めることが必要なのか、まったくわからない点だ。

 採用されたメンバーはチームに分かれて「新たなビジネスモデルを発掘し、研究会が主催する発表会への参加を競う」という内容だったらしい。この説明から感じるのは、ICTについて真面目に考え、行動してくれる人材である。なぜ、年齢や容姿が重要だと思わせるような募集を行ってしまったのか。

 また、サイト内では「公式応援団」をアイドルグループ「アップアップガールズ(仮)」が務めていることも紹介されており、わざわざ新たにアイドルグループのオーディションを連想させるような仕掛けを行う意図がわからない。

 このコーナーで取り上げた、H.I.Sの「東大美女図鑑」騒動「美しすぎない合同説明会」は、企画側が女性に対する一種の「性的役割分担」を感じさせる点が問題だった。「ICT女子プロジェクト」も結果的に女性の年齢差別、外見偏重につながる部分が糾弾されているのだが、その前にプロジェクトの説明と募集内容の隔絶がすごすぎる。ジェンダーの問題以上に、プロジェクト自体の説明の下手さ、企画の詰め方の甘さに根本的な問題がありそうで、企画者の意図を真面目に考えようとするほど混乱してくる。

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