ネット炎上のかけらを拾いに

2016年5月31日

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 今回は東京・小金井市で女性がストーカーの男に刺された事件についてのネット上での「議論」を取り上げたい。特定の個人や企業を叩く「炎上」ではないが、この事件に関しては主にツイッター上で多くの人が「調査」を行い、事件そのもの、もしくは関連報道について「怒り」「憤り」「疑問」を口にしている。このニュースに関するネット上での受け止められ方を簡単にではあるがまとめてみたい。

加害者の異常性がネット上で浮き彫りに

 女性が刺されたのは5月21日の17時頃。一報が報じられたのはその日の夜からだが、報道が出た直後には、被害者・加害者双方のツイッターアカウントがネットユーザーたちに発見されている。

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 加害者は被害に遭った女性に対して執拗にリプライを送りつけていた。今年初めにツイッターを開始した頃は好意的なツイートも多かったが、相手にされないことで不満を募らせたのか、次第に「贅肉が付いて薄汚れた印象を受けた」など嫌がらせと取れるツイートを送り付け始めた。

 報道によれば、加害者は女性からプレゼントを送り返されたこと、ツイッターをブロックされたことが犯行につながったと供述しているという。ただ、ツイッター上では加害者のほうが「(プレゼントについて)要らないのなら返して。それは僕の『心』だ」とリプライを送ったり、なぜ女性が自分をブロックしないのかと疑問を投げかけるような言葉をつぶやいたりもしている。恐らくこういった発言は加害者の被害者に対する「試し行動(※)」のようなもので、実際はプレゼントを返されることやブロックされることを極端に恐れていたのだろう。

(※)どれぐらい自分のことを受け止めてくれる相手なのかを探るため、わざと相手が困るような行動をとること。第一次反抗期の子どもが親に対して行うことなどがある。

 加害者のツイートやブログを見たユーザーたちは、その異常性を読み取り、衝撃を受けたとつぶやく人も多かった。犯罪が報じられたとき、加害者のツイッターやブログ、Facebookページが発見されることは少なくないが、これほど、犯行の動機が推測できる「足跡」を多く残している加害者も稀だ。

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