ネット炎上のかけらを拾いに

2016年7月12日

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 「いじめはいじめられるほうにも原因がある」という言説は、ここ最近聞かれなくなっている。こういう言い方をすること自体がいじめ加害者の肩を持つことであり、いじめを助長するという認識が徐々に広まりつつあるからだ。しかし、ネットの炎上においては、「炎上は炎上するほうに原因がある」と考える人が多いだろう。叩かれる要素のある人は、いくらでも叩いていいという風潮がある。「いじめをなくそう」と大人は言うが、ネット上でのいじめは是認されているのである。

プロブロガーが「1日を50円で買いませんか?」

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 インターネット上、特にツイッター上での「正義の暴走」が怖いことは、これまで何度かこの連載で述べてきた。とはいえ偉そうなことを言っている筆者であっても、義憤にかられてツイッター上での炎上に加勢した経験はある。失態を犯した人に対して、偉そうにツイッター上で苦言を呈したのである。そのときは、「無自覚に差別的な言動を取っている輩に一言言ってやった!」くらいの気持ちであった。

 しかしそれを見た人からフォローを外され、後日「そんなに怒らなくてもいいのにと思った」と笑われた。そう、炎上のほとんどは、少し離れた立ち位置から見ると「そんなに怒らなくてもいいのに」と思えるものだ。

 7月初旬に、とある「プロブロガー」が炎上した。きっかけは、このブロガー・Mさんがブログ上で「プロブロガーの1日を50円で買いませんか?」と呼びかけたこと。これに対してツイッターユーザーの一人が「50円払うので日雇い労働してください。そのバイト代を指定口座に振り込んでください」と依頼したのだ。

 Mさんはこれを拒否したが、もうお金を振り込んだと主張するユーザーとの間で諍いになり、このやり取りを見ていた人たちを巻き込んで炎上した。炎上後の7月10日にMさんが更新したブログ記事には700以上のはてなブックマークがついており、Mさんへの批判コメントが多い。記事によれば、彼が数分ツイッターを離れただけで通知欄が100以上溜まるほど批判があったという。

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