前向きに読み解く経済の裏側

2016年9月26日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

久留米大学商学部教授

1981年、東京大学法学部卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。主に調査関連部署に勤務した後、2005年に銀行を退行して久留米大学へ。著書に『増補改訂 よくわかる日本経済入門』(朝日新書)、『老後破産しないためのお金の教科書』(東洋経済新報社)、『世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書』(宝島社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)など多数。

 以前、赤字でも操業を続ける会社の合理性について考えました。今回は反対に、黒字でも閉店する店の合理性について考えましょう。キーワードは「機会費用」です。

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昼寝にもコストがかかる?

 自宅のソファで昼寝をするのは、当然ながら無料ですね。しかし、経済学では昼寝にはコストがかかると考えるのです。「機会費用」というコストです。これは、「Aをせずに別のことをしていたら得られたはずの利益をAの機会費用と考える」ということです。

 昼寝は無料ですが、昼寝をせずにアルバイトをしていたら何千円か稼げたかも知れません。つまり、経済学では「何千円の収入を犠牲にしても、どうしても昼寝をしたかったから昼寝をした」、という理解をするわけです。「コストとベネフィットを比較して、ベネフィットの方が大きいと判断したから昼寝を選択したのだろう」というわけです。

 学園祭でヤキトリを売って10人で3000円の利益があったとします。300円ずつ山分けして喜んでいる学生がいますが、「学園祭に参加しないでアルバイトしていたら何万円になったのだろう?」と聞くと、がっかりします。そうです。学園祭の参加は機会費用が高いので、「大赤字」だと考えるべきなのです。もっとも、学園祭は楽しむために参加するのですから、ワイワイと楽しんだのであれば、機会費用などに目くじらを立てる必要はありませんが。

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