世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年8月18日

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 7月10日付のワシントン・ポスト紙で、同紙コラムニストのロギンは、核の先制不使用や核実験禁止などの新政策を打ち出すことをオバマ大統領が考えていることを紹介しています。論説の要旨は、次の通りです。

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プラハでの提案を前進させる

 オバマ政権は大統領の核政策を前進させるために行政措置を採択する決意をしている。外交上の遺産を残す努力の一環である。オバマは核兵器の役割を減少させ、最終的には廃棄することを、2009年、プラハで明らかにした。ロシアとの新START条約締結、核セキュリティ・サミット、イラン核合意など成果を上げてきた。

 最近、国家安全保障関係閣僚は核政策について2度会合をした。検討中の選択肢は論議を呼ぶものであるが、議会の正式な賛成を要しない。国家安全保障会議のローズ次席補佐官は、6月6日軍備管理協会で、「オバマ大統領はプラハで提起した問題を前進させる方策を検討している」と述べた。

 高官によると、米国が「核の先制使用をしない」と宣言することも含まれている。これは画期的な変化になる。もう一つの選択肢は核実験禁止を確認する「国連安保理決議」の採択である。上院が包括的核実験禁止条約を批准しない中、核実験をしないとの米国の意思を確固たるものにする。またロシアに対して、新START条約の有効期限を2026年まで5年間延長する提案をすることを検討している。次期政権がこのSTARTを失効させないためである。さらに長距離巡航核ミサイル開発の中止や遅延、核警戒態勢の緩和も検討されている。

 共和党の議会指導部は、オバマが議会との約束に反し、米国の核抑止力を弱める措置を最後の数カ月で決めることに反対している。上院の外交委員会のコーカー委員長と軍事委員会のマケイン委員長は、START条約批准は核兵器を近代化する約束と共に行われたとの書簡を送付した。反対派はまた、米国の核の傘の下にいる同盟国への影響を考慮していないとしている。

 軍備管理推進派などは、オバマは出来る限り多くのことをやるべきで、核についての自身の約束を守る最後のチャンスであるとしている。オバマは核兵器についての遺産を残す機会と見ているが、議会の支持のない一方的な政策は彼の大統領任期を超えては続かない危険がある。

出 典:Josh Rogin ‘Obama plans major nuclear policy changes in his final months’ (Washington Post, July 10, 2016)
https://www.washingtonpost.com/opinions/global-opinions/obama-plans-major-nuclear-policy-changes-in-his-final-months/2016/07/10/fef3d5ca-4521-11e6-88d0-6adee48be8bc_story.html

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