WEDGE REPORT

2016年9月1日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。1972年共同通信社に入社、経済分野を取材し編集委員などを経て2010年に退職し、現在は経済ジャーナリスト。

 ゴルフ場の経営が、人口減少と若者のゴルフ離れを受け、瀬戸際に立たされている。全国にあるゴルフ場のうち、外資系などを除く約8割が「進むも地獄、撤退も困難」な状況の中で、コースの一部を太陽光発電に変更するなど、あの手この手の対応に追われている。ゴルフ場経営にこの先展望は開けるのだろうか、最新情勢をリポートする。

 青木功、尾崎将司、中島常幸のいわゆる「AON(エ―・オー・エヌ)」が活躍した1980~90年代、バブル時期とも重なって、ゴルフ産業は2兆円の規模に膨れ上がり、ゴルフ人口は1500万人に達した。しかし、バブルがはじけ、リーマンショックを経た今では700万人にまで激減し、この間、ゴルフ場の多くが倒産、会社更生法の適用を受け、経営者がコロコロと変わった。それでも約2300ものゴルフ場が残り、世界第2位の規模を誇っている。

(iStock)

メインプレーヤーは年金暮らし、熾烈になる価格競争

 ゴルフ人口の減少に加え、外資系が口火を切った価格競争は熾烈を極め、プレー代はこの数年で大幅に下がり続けている。稼働率を重視するゴルフ場で重要なのがウィークデーにいかに集客するかだ。リタイヤしたサラリーマンの多くは年金生活のため、お小遣いも節約志向が強く、割高感があるとリピーターになってくれない。

 ウィークデーで関東近辺なら食事付きで1ラウンド回って5000~7000円。土日でも1万円を切るところがあり、値下げ競争が止まらない。かつては温泉につかって1泊してゴルフも楽しむというゆったりした遊び方もあったが、いまでは日帰りコースが中心で、アクセスの不便なコースは敬遠されがちだ。その代わり、2人でもプレーをさせてくれ、一つコースの会員になれば、いくつかのコースを回れる共通会員になれるなど、プレーヤーにも特典を与えている。

 プレーにキャディが付かないセルフ方式がいまや当たり前。さらにゴルフバッグの運搬もプレーヤー自身で行ってもらうことで、ポーターの人件費を削減するゴルフ場も出てきた。

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