ネット炎上のかけらを拾いに

2016年9月28日

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スク水少女が「養って」

 クリエイティブは難しい。センスの良い発想なんて誰にでもできるものではないし、アイディアを絞り出した挙句に二番煎じになるのはよくあること。これだと思ってつくりあげたものが、完全にスベることもある。

 限られた予算の中、地方自治体をPRするためのCMをつくるのもなかなか難しい仕事なのだろう。斬新さがなければ注目されないどころか最後まで見てもらえない。他との差別化を図らなければいけない。「この動画、オチがすごい!」とつぶやいてもらうことができれば拡散効果があるから、何らかのオチがつくことが好ましい。

 奇を衒ったまでは良かったが、目論見が完全に外れたのが鹿児島県志布志市のふるさと納税PR動画だ。動画の内容をかいつまんで紹介すると、こうだ。

iStock

 スクール水着の少女がプールの中にあらわれ、カメラに向かってすがるような目線で「養って」と言う。「その日から彼女との不思議な暮らしが始まった」「僕は決めた。彼女のためにできる限りのことをしてやると」という男性のナレーションがかぶさり、少女はプールサイドのテントに入って「私の家!」とはしゃいだり、フラフープをしたり、ご飯を食べたり。その間、ずっと水着姿だ。ホースから顔に水を浴びせかけられたり、ペットボトルをつかもうとして、なぜかぬるぬると滑ってつかめず、3回繰り返すという描写もある。

 その後、少女は「さよなら」と言ってプールに飛び込み、ここで初めて彼女の正体が明かされる。「その美しい人の名は、うな子」というナレーション。そして飛び込む少女の姿がウナギに変わる。「志布志の豊かな自然で育ちました」というナレーションと、「たいせつに、養ってます」の文字。そして、ウナギのかば焼きのショット。かぶさる「うなぎ養殖日本一の鹿児島でナンバーワン!」「志布志のうなぎを、ふるさと納税で。日本一志の多いまち志布志市」の文字。最後にまた、別のスクール水着の少女が表れる。少女は先ほどの少女よりさらに幼く、子どもっぽい声で言う。「養って」。

 志布志市は動画のタイトルを最初は「少女U」としていたが、炎上後に「UNAKO」に変わった。タイトルがUNAKOだとネタバレになるが、「少女」を強調したタイトルよりは良いという意図だったのかもしれない。

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