定年バックパッカー海外放浪記

2016年10月16日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年生まれの62歳。横浜生まれ、神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

素敵な日本人の老夫婦

 6月25日 ビジャフランカ・デル・ビエルソに向かう途中はなだらかな起伏が続いて巡礼道の両側には葡萄畑が広がっている。歩いていると前方にカップルが見えてきた。数日前に道端のカフェで挨拶した日本人の夫婦であった。

ヴィジャフランカの大聖堂の祭壇

確かご主人が72歳、奥様が69歳で夫婦共通の趣味が山歩きとテニスだと聞いた。日本人にしては二人とも長身でご主人が185センチくらい、奥様も170センチ近い。登山用のシャツやスラックスがぴしっと決まっていて、お2人とも背筋を伸ばして軽快に歩いている。おニ人とも若々しく登山用品の広告のモデルのようである。

 ご主人は5年前に完全に仕事を辞めたというが話していると有能な経営者のような雰囲気である。前回二人にカフェで会った時に、偶然顔見知りのカナダの高校の女性教師が通りかかった。そのときカナダの女性がお2人に挨拶したら、ご主人が英語で挨拶を返して会話をした。流暢ではないが正確な文法の英語であった。外国人と礼儀正しく会話を楽しんでいるダンディーな日本人の先輩を見てなぜか嬉しく誇りに思った。

 海外で見かける邦人中高年諸氏は概してだんまりを決め込んでいて自分から外人に話しかけるようなオープンマインドの持ち主にはほとんど会ったことがなかったからである。

サンチアゴ巡礼は人生の総決算

Portmarineの大河の鉄橋から

 そんなことを思い出しているうちに二人に追いついた。挨拶して一緒に歩いていたら藤棚のような木陰の下にテーブルとベンチがあったので3人で休憩することにした。「退職後夫婦仲良く悠々自適に海外旅行したり山歩きをしたりして本当にお幸せですね。羨ましいですよ。」と私が言うと奥様が意外な言葉を洩らした。

 「そんなことないですよ。実はもう10年くらい山歩きはしていないんです。両方の両親の介護でそれどころではありませんでした。昨年義母を見送ってやっと介護を卒業することができたんですよ。」

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