したたか者の流儀

2016年10月1日

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パスカル・ヤン (Pascal Yan)

著述家

著述家。ルーヴァン・カトリック大学大学院中退(ベルギー)。証券マンとして25年間、欧州を中心に海外で過ごす。現在の職業は都内大学教授。

 

 学校の体育館で開かれる催し物の一つにバザーがある。おしゃれなデパートではグラン・バザールなど銘打って、客集めをする。フランス語でゴチャゴチャのことをバザーという。これらは、同じ語源で市場という程度の意味だ。トルコのイスタンブールに行くと、数千の店が並んだバザールがある。バザールの本家の一つだ。その巨大さは、行った者しか理解出来ない。不思議な事に、その少し手前に同じような市場館があるが、すこし小さい。これをエジプシャン・バザールと呼ぶ。エジプト人を卑下しているわけではなく、よく知らない外人はここがイスタンブールの市場だと勘違いして、買い物をして帰ってしまうからだ。本物はその5倍だ。その昔、築地のように手狭になったので、豊洲を建てたのと同様なことがあったのだろう。

市場、バザール、スーク、レ・アル

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 ともかくイスラム圏の市場は大きい。モロッコのマラケッシュやフェズの市場は感動で息もできない。中東は間違いなく、どこの都市でも活気のあるスークやバザールが町の中心となっている。残念ながら、日本ではバザールだけが日常語になっているが、イスラム圏でもアラブ諸国ではスークと呼ばれている。

 ラテン系国々の都市にも公設市場がある。開放感あふれる建築物で、業者だけではなく、素人も入り込める。青空市場と区別するために、フランスではレ・アルと呼ばれているが、どこの町のレ・アルもとても楽しい場所だ。京都の錦を想像したら間違いない。

 我が国の場合、歴史的には常設ではなく市場が立つ日が町の名になった市町村が多い。千葉県の八日市場などは、地名に市場が入っているので間違いないが、四日市とは、五日市など、なども同様であろう。韓国の南大門市場や釜山のチャガルチなど、都市の活気の源泉として重要な要素だ。市場は楽しい。楽市楽座といわれるように、少しの政治指導で自由に発展するのが理想だ。そこに店を出すのにとった税金が入市税だ。盛ればお上も潤う仕組みであろう。

 東京は現在築地市場でもめている。東京の魚河岸の移転は初めてのことではない。そもそも、お江戸日本橋脇は魚市場であった。関東大震災で破壊されたこと、都市機能が拡大して現地の再建ではなく築地に移転することで日本人のタンパク源の確保となった。後には、大型船の乗り入れも考えて、橋が開く勝鬨橋が建設されて完成をみたようだ。結果として世界一魚の魚市場、築地が完成した。

 ところで、市場と言えばおいしい食となる。素人衆は、ほんの少しだけ雰囲気を味わい、場外市場や、仲買人がさっと来て食べてゆく市場食堂街で邪魔にならないように食べ物をいただき雰囲気だけでも感じる、これが市民や旅行者と市場の理想的関係だ。

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