今月の旅指南

2010年2月26日

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辻 一子 (つじ・いちこ)

岡山県生まれ。フリーライター。旅行会社のPR誌の編集者を経て、1998年からフリーランスに。旅の雑誌を中心に活躍。

「ウェヌス像」
パロス島(ギリシア)産大理石、彩色の痕跡 ナポリ国立考古学博物館蔵
©Luciano Pedicini/Archivio dell’Arte

 西暦79年に起きたヴェスヴィオ山の大噴火によって街全体が火山灰に埋没した、イタリア南部の都市ポンペイ。それから約1700年後に始まった発掘調査で当時のままの姿がよみがえり、世界中から注目を浴びた。

 発掘によって現れたポンペイの街は、大噴火による悲劇の姿ではなく、優れた文化や芸術が花開いた楽園であり、自然の恵みを享受する人々の豊かな暮らしを今に伝えるものだった。

 今回の展覧会では、ナポリ国立考古学博物館の全面的な協力のもと、ポンペイからの出土品を中心に、日本初公開を含む壁画、「ウェヌス像」をはじめとする優れた彫刻作品、工芸品や日用品など約260点を公開。繁栄の頂点で突然消えた古代ローマ都市、ポンペイの姿を再現する。

 家々を飾った色鮮やかなフレスコ画や、イタリア国外へは初出品となる約60点の銀食器群、ポンペイの郊外にある別荘から出土した浴槽および給湯システム、その床面を飾っていたモザイク画等々……。

 長い眠りから目覚めた古代都市の遺産は、当時の富裕者たちの生活水準の高さや、生きることを楽しむ古代ローマ人の姿を浮かび上がらせてくれるにちがいない。

 
 
 
 

ポンペイ展 世界遺産 古代ローマ文明の奇跡
横浜市西区・横浜美術館(みなとみらい線みなとみらい駅下車)
〈問〉03(5777)8600
http://www.ntv.co.jp/pompei/

◆「ひととき」2010年3月号より


 

 


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