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2016年11月22日

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崔 碩栄 (チェ・ソギョン)

ジャーナリスト

1972年韓国ソウル生まれ。韓国の大学で日本学を専攻し、1999年渡日。関東地方の国立大学で教育学修士号を取得。日本のミュージカル劇団、IT会社などで日韓の橋渡しをする業務に従事する。現在、フリーライターとして活動、日本に関する紹介記事を中心に雑誌などに寄稿。著書に『韓国人が書いた 韓国で行われている「反日教育」の実態』(彩図社刊)、『「反日モンスター」はこうして作られた-狂暴化する韓国人の心の中の怪物〈ケムル〉』(講談社刊)がある。

秋の風物詩「受験生緊急護送作戦」 受験中は飛行機着陸禁止?

 11月17日、韓国では日本の大学入試センター試験にあたる「修学能力試験」が実施された。一般的に「修能」と呼ばれるこの試験は、韓国で小学校から高校までの過程を修了した学生が12年間学んだすべての知識を注ぐ「最後の関門」であり、受験日は「決戦」の日でもある。

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 日本以上の学歴社会といわれる韓国で修学能力試験の当日に見られる光景は、外国人の目には不思議に映るに違いない。例えば試験に遅刻しそうな学生を乗せてサイレンを鳴らしながら試験場まで疾走する警察の白バイやパトカー、受験生が試験場に移動する時間帯に合わせて増便運行する電車、交通の混雑を避けるため出勤時間を午前10時に変更する役所などがそれである。

 中でも驚かされるのは飛行機の着陸まで「一時停止」させるということではないだろうか。修学能力試験には英語のリスニングテストが含まれているが、飛行機の離着陸時に発生する騒音が受験生に支障を与えるという理由から、リスニングテストが行われる約30分間は、都心に近い空港や軍空港の離着陸が禁止される。外国人から見ると、「そこまでやるか?」と思われるかも知れないが、これらの姿は数十年前から完全に韓国の風物詩として定着してしまった。

一日で人生が決まる、根強い学歴偏重社会

 もちろん、他国においても大学入学試験というのは大学受験生にとって非常に重要な意味を持つに違いない。それにしても韓国の入試騒ぎは異常と言えるレベルである。なぜか?理由は単純だ。出身大学、つまり学歴がすべてを決める韓国で修学能力試験日は、まさに「人生が決まる一日」であるからだ。韓国で学歴は就職、収入、結婚において非常にメリットが多いため、それが決まる入試には受験生も家族もみんな必死になる。受験生にとってそのプレッシャーはかなり重く、毎年入試に失敗した受験生が自殺したというニュースが集中するのもこの時期だ。

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