From LA

2016年11月17日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

 11月15日、一般公開前のロサンゼルス・オートショーのプレスイベントに出席した。今年1月初めにあったCESラスベガスでも感じたことだが、自動車と家電、ネットワークプロバイダー、ITという業際がかなり失われている。オートショーと言えば各自動車メーカーが新型モデルやコンセプトカーを発表する場所、というイメージだったが、今日のプレスカンファレンスでフォード・モータースCEO兼社長マーク・フィールズ氏は「フォードは自動車メーカーでありテクノロジーメーカーでありIT企業」と言い切った。一方でインテル、アマゾンがオートショーでプレスカンファレンスを開催するなど、まさにどの企業が「自動車関連」と名乗りを上げてもおかしくない時代が到来している。

フォード「Go Bike」

 フォードは今回のカンファレンスで自転車シェアの「チャリオット」社との提携を発表。フォード「Go Bike」と名付けた製品を発表した。チャリオットはサンフランシスコ市と提携し都市交通の中で何が問題となるか、などを探ってきた。チャリオットのシェア自転車は「最初と最後の数マイル」、すなわち自宅から電車の駅まで、電車の駅から会社まで、という使い方が主流だ。ロサンゼルスなどと比べると公共交通が発達しているサンフランシスコでも、例えば、東京と比べるとまだ網羅されていない場所が多い。そこで自転車のシェアシステムは有用と考えられる。

 フィールズ氏はロサンゼルス市が2024年の五輪招致に名乗りを上げていることから、公共交通網が発達しているとは言えない同市にとって自転車シェアは観光客の足としても便利な存在になる、という。

 フォードは自動車全般、EV、自動運転、ライドシェア、カーシェア(1台の車を複数で所有する)など、現在自動車業界を取り巻く様々な動きを全てカバーしている数少ないメーカーの一つだ。そのフォードが自転車シェアまで取り込むことで、自動車メーカーというよりは「都市型交通メーカー」に発展する可能性もある。

amazonからの自立?

 一方、今回のプレスカンファレンスでは驚きもあった。フォードは今年1月のCESでアマゾン「アレクサ」との提携を発表。IoTの分野でアレクサとフォードの車内搭載型マルチコミュニケーションシステムSYNCを連動させることにより、車と家とのスムーズな連携を目指す、と宣言した。

 ところが、今回アレクサとの「完全なる提携」を発表したのは韓国現代自動車なのである。現代はブルー・リンクと名付けたシステムによりアレクサ、音声認識デバイスのエコーと車を連携。音声コマンドにより家の中から車のエンジンをかけ空調温度を設定する、あるいは車から帰宅前に家の電気をつけ空調を設定、などのシステムを紹介した。

現代IONIQ

 現代アメリカのデジタル・ビジネス・プランニング及びコネクテッド・オペレーション部門のバリー・ラツラフ氏は「アマゾンエコーやアップルウォッチのようなスマートデバイスをブルー・リンクによって車と連動させることにより、もっと車と相互関係を持ちたいという顧客の要望に答えることができる」と語る。

 アマゾンと連携するのは現代IONIQというEVだが、音声により「EVへのチャージを始めたり停止したりできる」「ドアロック、解除ができる」「車のクラクションを鳴らす、ライトをつける」などが可能となる。

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