定年バックパッカー海外放浪記

2016年12月25日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年生まれの62歳。横浜生まれ、神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

[秋のマルタ、シシリーを巡るキャンプ旅]
(2015.9.29-10.26 28日間 総費用22万円〈航空券含む〉)

マルタの中国人コック見習い

ライトアップされたイムディーナの城塞の中の街角

 10月6日 マルタ本島の中央にある中世からの要塞都市イムディーナの城壁を臨む公園で野営。簡単に夕食を済ませてから公園のベンチでぼんやりとライトアップされた要塞を眺めていた。

ライトアップされたイムディーナ城塞の正門

 東洋系の丸刈りの朴訥そうな青年が珍しそうにテントをじろじろ見ている。挨拶すると彼は中国東北地方の吉林省長春出身23歳。長春はサラリーマン時代に何度も出張した懐かしい都市である。旧満州帝国の首都として整備された広い街区に石造りの立派な建築物が並んでいる。

 彼は高校卒業後地元で工場勤務をしていたが低賃金長時間労働に嫌気がさして辞めた。その後友人の伝手で2年前にマルタに来て中国レストランでコック見習いをしている。イムディーナはマルタの有名観光地なので中国人団体旅行客相手に中国レストランは繁盛しているようだ。

ライトアップされた城塞のなかを散策する観光客

 毎日朝から深夜まで重労働で休日もなく睡眠時間は4~5時間という。しかし一人前の料理人になれば世界各地の中国レストランで稼げるので頑張っているという。幸いなことに63歳になる四川省出身の料理人の親方(シーフー)は丁寧に料理を教えてくれるので頑張れると彼は話をしてくれた。翌日も休憩時間に私のテントに遊びに来て、中華料理を差し出した。親方以外に話し相手がいないので嬉しいらしい。

 旅行しているとこうした出稼ぎの中国人に頻繁に遭遇する。閉塞した格差社会の中国では希望の持てない若者がチャンスを求めて海外に出稼ぎに行くのは一つの大きな流れになっていることを実感する。

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