報道にはすべて裏がある

2016年12月16日

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「なんてタイミングなんだ」

 12月13日夜、那覇市内で一緒に飲んでいた自民党の沖縄県議会議員は、そう呻いた。米海兵隊普天間飛行場に配備されているオスプレイが墜ちたらしいという一報が入った瞬間のことだ。

 その前日に、名護市辺野古の基地建設をめぐる工事で、国と県が争っていた訴訟で、県の敗訴が確定的なことが明らかとなったばかり。県議会で野党として翁長雄志知事を追及してきた自民党の県議らには高揚感があった。それを打ち砕くかのようなニュースに、思わず声を上げずにいられなかったのだ。

 墜ちた場所は、沖縄本島北部の米軍キャンプ・シュワブ沖、あるいは津堅島の沖ではないか。オスプレイは不時着したのか、墜落したのか。情報が錯綜するなかで、私も含めたその場にいた関係者が手分けして、情報を集めた。米軍は、不時着と説明。場所は、名護市安部沖のリーフの上、剰員5名のうちケガ人が2名。住民への被害はなし。

 そうした情報が集まり、住民の被害がなかったことにまずはひと安心したが、翌日以降の知事やメディアの動きを想像すると、これはたいへんなことになったと理解した。飲み会もすぐに切り上げ、銘々職場や自宅に戻った。

 そして、翌朝の地元紙。琉球新報、沖縄タイムスともに、一面に、大きな見出しでこの事故を詳報。琉球新報が「オスプレイ墜落」、沖縄タイムスが「オスプレイ不時着」と表現が異なるが、どちらも入稿が間に合った2版では、大破したオスプレイの写真が掲載された。朝からNHKをはじめとするテレビ局は、ヘリからの空撮映像で、リーフの上でバラバラになったオスプレイの無残な姿を流し続けた。米軍側は不時着水と説明をしても、その写真や映像からは、墜落という印象しか受けない。

iStock

 さらに、オスプレイが名護市安部沖に「墜落」したのと同じ晩に、普天間飛行場に別のオスプレイが胴体着陸していたことも明らかになった。機体の不具合で前輪が出なかったためだというが、なんとも間の悪い。

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