赤坂英一の野球丸

2016年12月22日

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赤坂英一 (あかさか・えいいち)

スポーツライター

1963年、広島県生まれ。86年に法政大学文学部卒業後、日刊現代に入社。88年より、スポーツ編集部でプロ野球取材を担当。同社勤務のかたわら週刊誌、月刊誌で、スポーツを中心に人物ノンフィクションを多数執筆してきた。最新刊『すごい!広島カープ 蘇る赤ヘル』(PHP文庫、『広島カープ論』増補改訂版)が重版出来で2万部突破。ノンフィクション『失われた甲子園記憶をなくしたエースと1989年の球児たち』(講談社)が第15回新潮ドキュメント賞にノミネートされた。ほかに『プロ野球「第二の人生」 輝きは一瞬、栄光の時間は瞬く間に過ぎ去っていった』(講談社)『最後のクジラ――大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生』(講談社)『プロ野球コンバート論』(PHP研究所)など。

 しかし、そんな熱気と盛り上がりが続いたのも、イチローが出場した2009年の第2回大会までだった。2013年の第3回大会前には、WBCの利益配分率が米国66%、日本13%とあまりにも差があり過ぎると、プロ野球選手会がいったん不参加を決議。「現況のWBCは、実質的な運営主体であるMLBの利権拡大のための大会であり、日本などの主要な参加国の当然の権利、利益を犠牲にして運営される大会となっています。このような状況のまま、我々の世代が、安易な妥協のもと、参加することは、将来の日本の野球に負の遺産を相続するという、禍根を残すことになりかねない」(選手会公式ホームページ)と、WBCとMLBに不信感を露わにしている。

課題は山積み

この問題は結局、日本の企業が出しているスポンサー料がWBC側(主催団体WBCI)ではなく、日本側のNPB(日本プロ野球機構)に直接入るようにすることで妥結。選手会も不参加決議を撤回したのだが、利益配分そのものに関しては是正されていない。その上、第3回大会からイチローをはじめ、メジャーでプレーしている日本人選手はひとりも参加せず。あげく準決勝でプエルトリコに敗れ、初めて優勝を逃すという屈辱を味わった。

 小久保裕紀監督率いる現在の代表チームも、WBCの前哨戦とされた2015年の第1回WBSCプレミア12で、準決勝まできながら韓国に逆転負け。要するに、侍ジャパンは2013年以降、試合をすればするほど不安と問題点が浮き彫りになっている、というのが現状なのだ。こんな状態で来年のWBCで勝てるのか、WBCが打ち切りとなったらどのようにチームを強化していくのか。2020年の東京オリンピックへ向けて、課題は山積みである。

  
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