家電口論

2017年1月2日

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多賀一晃 (たが・かずあき)

生活家電.com主宰

スマート家電グランプリ審査員。主催する『生活家電.com』を通じ、家電の新製品情報、使いこなし情報他を発信中。過去、某メーカーでAVメディアの商品企画を担当、オーディオ、光ディスクにも精通。また米・食味鑑定士の資格を有する。水、米、パン、珈琲、お茶の味に厳しい。

 福島原発の廃炉費用負担、高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉で、いろいろな意見が飛び交っている。しかしエネルギー問題を、大きな眼で俯瞰すると、それは供給の問題。当然、消費関連の問題がある。

 その解決法の一つとして、2012年位から盛んに叫ばれたのがHEMS(Home Energy Manegiment System)。いわゆる節電システムだ。ただし当時、技術が錬れていなかったこと、コストが見合わなかったこと、また一番大きな問題として節電以外のサービスを見いだせなかった、本格導入がされてこなかった。

iStock

 しかし、2015年にCESの基調講演で、IoT(インターネット・オブ・シングス:全ての家電をネットにつなげ便利にすること)が出てくると、ある程度用意されていたとはいえ、我も我もと、いろいろな方面から、勝手にネットにつなぐようになってきた。

 そして、このIoTで技術優位性を作るため、日本&アメリカで、世界標準を作ろうとしている。が、デジタル時代の場合、話し合い細かい所まで決める前に、技術が進んでしまうため、その規格が振り返られなくなってくることも多い。

 例えば、HDDと光ディスク。HDDは入出力の決まりさえ守れば、中身に関しての規制はない。極端に言えば、中に小人が入っていて必死に手帳に書き込んでいても、出てくるデータが正しく、高速でのやり取りができればいいわけだ。それに対し光ディスクは、ハードとメディアの互換性を取らなければならない。検証もすごく時間が掛かる。HDDほど早く開発ができない。このため、HDDは数年で壊れるにも関わらず、PCの中心的なポジションを今も保ち続けている。

 11月、東電パワーグリッド(以下東電PG)、パナソニック、日立が、『住宅内の情報を収集・蓄積・加工するIoTプラットフォーム構築に関する共同実証試験開始』を発表した。基本サービスに節電を上げているが、見事なくらい、今までのHEMSとは内容を異にする。

三社の区分け

 今回三社で実証試験を行うが、東電PGは全体の取りまとめに加え、専用センサーの開発やデータ処理および取得したデータを広くサービス事業者と共有した上で協業の可能性の検討。日立はデータの蓄積・加工を担うとともに、蓄積・加工するプラットフォームの有効性の検証。そしてパナソニックは主に高速PLCによる住宅内機器間のネットワークの有効性の検証となる。大ざっぱに言うと、家の中はパナソニック、ネットクラウドは日立。送電などを東電PGが行うと考えればよい。

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