2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年1月12日

 米元上院議員のリーバーマン元米上院議員とウォレス元米国連次席大使が連名で、12月6日付ワシントン・ポスト紙に、トランプはイラン核合意を破棄すべきであると言っているが、その前にイランのテロ活動、人権抑圧なども含める再交渉をすべきである、との論説を寄稿しています。要旨は次の通りです。

(iStock)
 

 トランプ政権は再交渉の前に、米国の同盟国であるアラブ諸国とイスラエルと緊密に協議すべきである。過去1年の間にイランの危険な行動は加速化した。反米、反イスラエル、反アラブの発言は一層強まり、その行動は発言に見合っている。先月アラブ諸国11か国が、国連でイランが内政に干渉していると非難した。6月に国務省はイランを世界の代表的テロ支援国家に指定した。

 そのうえで、核合意に含まれていない諸点、すなわち、地域での侵略、国家によるテロ支援、国内の人権抑圧を採りあげるべきである。そしてイランが核合意の規定と精神を順守しない場合には、軍事力の行使もありうることを明言し、抑止力を強化すべきである。

 それでもイランが行動を改めない場合には、トランプは新しい一連の制裁を課すことを明らかにし、その後合意を破棄すべきである。そのような段階的交渉により、米国はイランと協力する用意があるが、もし外交的解決が不可能な場合には結果を伴うことを明らかにできる。それによって、イランに急進的で、テロを推進し、抑圧的で拡張的な政策の変更を求めることなく、その勝手な核計画を正当化した現行の核合意を書き換えることになる。

出典:Joseph I. Lieberman & Mark D. Wallace、‘How Trump should renegotiate the Iran deal’(Washington Post, December 6, 2016)
https://www.washingtonpost.com/opinions/global-opinions/how-trump-should-renegotiate-the-iran-deal/2016/12/06/b78ddf3e-bb0d-11e6-91ee-1adddfe36cbe_story.html


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