海野素央の Love Trumps Hate

2017年2月3日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授、心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08~10年、12~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年及び12年の米大統領選挙においてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。著書に「オバマ再選の内幕―オバマ陣営を支えた日本人が語る選挙戦略」(同友館)など多数。

 今回のテーマは「トランプ流人の動かし方」です。

(GettyImages)
 

 バラク・オバマ前大統領とドナルド・トランプ大統領は全く異なった方法で人を動かします。オバマ前大統領は、積極的傾聴と敬意及び感情移入を通じてまず相手を理解することを重視しました。同大統領はストーリーテリング(物語を語る)というコミュニケーションの手法も多用しました。ではトランプ大統領は、どのようにして人を動かしているのでしょうか。本稿ではその秘訣を明かします(図表1)。

トランプループの心理的側面

 「日本を『新・悪の枢軸』にするトランプの手口」で説明したトランプループを心理的側面からみてみましょう(図表2)。

 まずトランプ大統領は、短文投稿サイト「ツイッター」を使って交渉相手に無理難題を押し付けてきます。同大統領のツイッターの内容は、メディアが必ず取り上げてニュースにします。到底呑めることができない提案を突き付け、相手をイライラさせるのです。すると突然、電話協議を行い、合意ができるというシグナルを送って、一旦相手を安心させます。メキシコのエンリケ・ペニャニエト大統領との電話会談がそうでした。

 ところが、トランプ大統領は政策に対する立場を変えません。そこで、交渉相手は同大統領の言動に翻弄され、外交の主導権を握られてしまいます。このようにしてトランプループに巻き込み、自分が描いた方向へ相手を動かしていくのです。

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