70点の育児入門

2017年2月23日

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子育てはトラブルの連続。
「こうすればいい」「これが効く」情報が溢れすぎていて、何が正しいのかもわからない。
そんな悩みに答えるべく、この連載ではポイントをおさえた「70点のとり方」を専門家の方々に質問していきます。

質問:まだノロウイルスにもロタウイルスにもかかったことがないのですが、感染してしまった家庭の話を聞いていると上手に対処できるのかと不安になります。症状が似ているのでごっちゃになってしまうのですが、何が違うのでしょうか?

答え:ロタウイルスは小さい子が重症化しやすい傾向があり、年長児や大人は抗体ができているため重い症状になることは稀です。ノロウイルスは全年齢が感染し、発症します。どちらのウイルスもアルコールが効きにくいので、手洗いを念入りにすることが最大の予防策です。嘔吐物や便の処理にも気をつけなければなりません。

答える人 石橋涼子先生(石橋こどもクリニック院長)

石橋涼子(いしばし・りょうこ)
東京大学医学部卒業。大学での研修の後、NICU、総合病院、障害児施設などに勤務。1996年からまつしま産婦人科小児科病院(現・まつしま病院)小児科部長、2005年1月に東京・江戸川区小岩に石橋こどもクリニックを開院。

 ロタウイルスは小さい子ほど重症化しやすく、脳症、けいれんなどを起こすこともあります。そのためワクチンが開発されており、日本でも徐々に普及しています(今のところ、自費で接種する「任意接種」です)。

 一方ノロウイルスは型が多いことで知られていて、2016年秋からの流行はこれまでにあまりなかった型によるものと見られています。

 ノロウイルスやロタウイルスの厄介なところは、嘔吐物や便から出てきたウイルスが環境中でしばらく生きているということにあります。それを触った人がドアノブなどに触れるとしばらくそこで生きているので、次に触った人の手に移り、食事などで口から腸に入り、腸内で繁殖します。感染した人はできる限り家族から隔離したほうがいいでしょう。

 嘔吐などの対処は、たとえば東京都保健局が公開しているマニュアルを参考にするといいでしょう。処理する人は必ず手袋とマスクをし、次亜塩素酸ナトリウムの薄め液で消毒することがポイントです。消毒しないままパジャマや寝具を洗濯してしまうと、ほかの衣類やタオルにまでウイルスが移ってしまいます。

 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/noro/files/dai2.pdf

 商品化された次亜塩素酸ナトリウムの代表は「ハイター」です。「吐いたらハイター」という語呂合わせもあるほど、広く使われています。

 アルコールで不活化しないウイルスなので、手洗いも注意が必要です。よく手をすすいだあと、石けんで手首までまんべんなくよく泡立ててウイルスを手の表面から浮かび上がらせた上で、30秒以上すすいでウイルスを洗い流すことを習慣化してください。お子さんの手洗いだけでは十分でないことも多いので、一緒に洗ってあげるといいでしょう。

 非常に厄介なウイルスではありますが、日頃から運悪く発症した場合の対処を考えておけば、落ち着いて行動できるのではないかと思います。

  
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