赤坂英一の野球丸

2017年2月22日

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赤坂英一 (あかさか・えいいち)

スポーツライター

1963年、広島県生まれ。86年に法政大学文学部卒業後、日刊現代に入社。88年より、スポーツ編集部でプロ野球取材を担当。同社勤務のかたわら週刊誌、月刊誌で、スポーツを中心に人物ノンフィクションを多数執筆してきた。最新刊『すごい!広島カープ 蘇る赤ヘル』(PHP文庫、『広島カープ論』増補改訂版)が重版出来で2万部突破。ノンフィクション『失われた甲子園記憶をなくしたエースと1989年の球児たち』(講談社)が第15回新潮ドキュメント賞にノミネートされた。ほかに『プロ野球「第二の人生」 輝きは一瞬、栄光の時間は瞬く間に過ぎ去っていった』(講談社)『最後のクジラ――大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生』(講談社)『プロ野球コンバート論』(PHP研究所)など。

 今年のキャンプで最もマスコミの情報量が少ないのは、昨季パ・リーグ最下位のオリックスではないだろうか。同じパのBクラスでも4位の西武は辻発彦新監督が就任、5位の楽天にはFAで元西武のエース岸孝之が移籍した。片やセ・リーグ最下位の中日は親会社の発行する新聞がガンガン宣伝してくれるし、5位のヤクルトには2年連続トリプルスリーの山田哲人、4位の阪神にはオリックスからFA移籍の糸井嘉男というスターがいる。

 

 

 その糸井に去られたオリックスにはこれという時の人が不在で、エース金子千尋もキャンプから投げ込んでアピールするタイプではない。テレビやスポーツ紙の扱いが小さいのも無理からぬところだが、キラリと光るものを見せている選手はいる。例えば、先週末の18日、今年初の対外試合となった広島との練習試合に登板したふたりの新人投手だ。

 

 先発はドラフト1位の山岡泰輔(21歳、東京ガス、右投げ左打ち)で、田中広輔を二ゴロ、菊池涼介を中飛、堂林翔太を一邪飛とすべて真っ直ぐ勝負で料理。1イニングだけながら無安打無失点と、堂々の実戦デビューを飾った。177㎝、68㎏と投手陣では下から2番目に小さいものの、真っ直ぐの最高速度は152㎞を誇り、全身を目一杯大きく使って投げるスタイルは躍動感たっぷりである。

 山岡は広島出身で、瀬戸内高時代は3年夏の広島県予選決勝で広島新庄高・田口麗斗(現巨人)と投げ合い、延長15回を無失点に抑えて引き分け。中1日挟んでの再試合で完封勝ちし、広島高校球界に伝説を作った。このときの投球はテキサス・レンジャーズのダルビッシュ有に絶賛されたほど。キャンプの紅白戦でも結果を残しており、早くも先発ローテーション入りが確実視されている。

 新人ではもうひとり、ドラフト8位の澤田佳佑(22歳、立教大、右投げ左打ち)にも注目したい。広島との練習試合で6回に登板し、堂林を遊飛、鈴木誠也を三邪飛、育成外国人バティスタを見逃し三振と、やはり1回無安打無失点に抑えて気を吐いた。こちらは178㎝、96㎏と外国人を除く投手陣では〝最重量〟を誇る。それだけスタミナにも自信があるようで、キャンプ中は1日置きに60~70球ずつ、精力的に投げ込んでいた。

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