世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年3月10日

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 韓国紙コリア・ヘラルドの2月5日付け社説が、朴槿恵退陣キャンドル集会に反米、反THAADグループが入りTHAAD反対を叫んでいるのは問題である、米韓離反を図り韓国の安全保障を危険に晒している、と批判しています。要旨、次の通り。

(iStock)
 

 2月3日の米韓国防相会談で、米韓は、高高度ミサイル防衛システム(THAAD)の韓国配備を予定通り本年中に配備することを確認した。いくつかの反米、反THAAD団体は会談当日、国防省前で抗議行動を行った。これら団体は米国を非難したが、金正恩に対しては何も抗議しない。

 約1500の市民団体が参加する朴槿恵退陣運動に加わっている一つの反米グループは、集会でTHAAD配備を非難している。彼らは、THAAD配備は1000万人の参加者の意に反するものだと主張しているが、それは間違っている。このグループは平沢への米軍基地移設や済州島の海軍基地の建設にも反対してきている。

 盲目的な反米活動をしてきたこのグループが朴槿恵退陣キャンドル集会を利用することは見過ごせない。反THAAD運動は光化門広場に集まった1000万人の要求と合致するものではない。集会の参加者は崔順実スキャンダルに怒っているのであり、THAAD配備に反対している訳ではない。

 峨山政策研究所が8月に出した調査結果によると、53.6%がTHAAD配備に賛成、反対は36.3%だった。賛成の最大の理由は北の核・ミサイルへの対処に必要だというものだった(約70%)。反対の最大の理由は政府への不信(約42%)であり、約20%が対中関係への悪影響を挙げた。

 もっと問題なのは政治家である。キャンドル集会に参加した野党の議員や大統領選挙候補者は参加者の要求を歪曲すべきでない。大統領を目指す者は盲目的な反米主義を避けるべきであり、北の核の脅威に対する現実的な政策を打ち出すべきだ。

 THAADは防御的兵器である。北は核・ミサイルの実験をすると脅かしている。トランプ政権になり米国が中国と衝突する可能性もある。このような状況で米韓の間に楔を打とうとする試みは韓国の安全保障を危険に晒すものである。

 市民は反THAADグループに利用されないようにしなければならない。国家の安全保障に関する限り、国の団結と対米同盟が割れるようなことがあってはならない。

出典:‘Anti-THAAD protests’(Korea Herald, February 5, 2017)
http://www.koreaherald.com/common_prog/newsprint.php?ud=20170205000045

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