家電口論

2017年3月17日

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多賀一晃 (たが・かずあき)

生活家電.com主宰

スマート家電グランプリ審査員。主催する『生活家電.com』を通じ、家電の新製品情報、使いこなし情報他を発信中。過去、某メーカーでAVメディアの商品企画を担当、オーディオ、光ディスクにも精通。また米・食味鑑定士の資格を有する。水、米、パン、珈琲、お茶の味に厳しい。

なぜ、新規ではなく、改造で対応しようとするのか?

 これは私の憶測だが、国内での前例があるためだと思われる。1964年の東京五輪の時、メディアセンターの役割を果たしたのはNHKだそうだ。代々木の国立競技場と渋谷のNHKは、目と鼻の先ほどとは言えないが、かなり近いことは事実。また当時は、現在までの参加国はないし、アナログTVがメイン。ちなみにテレビのほとんどは白黒の時代。さて時代は移り近しいビッグイベントは2002年のサッカーのワールドカップ。これは横浜パシフィコを改造してのり切ったそうだ。2002年はテレビ放送はデジタル化されてないし、まだネットで動画を見るにはちょっと早い時代。当然、参加メディアも現在ほど多くはない。だからこそ乗り切れたのではないかと思う。

 が、ここで一種の実績ができたわけだ。日本のお役所行政は慣例を重要視する。これに、今回の地理的条件、そしてロンドンのメディアセンターのサイズを合わせた時、ビッグサイトが適当とされたことは想像に難くない。また巨大化するオリンピックに対し、スリム化が叫ばれる昨今、あるモノは使って、安くあげろと言うわけだ。ちなみにロンドンのメディアセンターは、当時新しく作ったもので、評判は上々だったが、これは再開発がらみである。規模の縮小が叫ばれながらも、巨額な経費が掛かるとして、中規模都市がオリンピックの開催からどんどん脱落しているのも事実だ。さらに、今回のビッグサイトの改造が、今のメディアのニーズを盛り込んで考えられているかは、不明だ。

数値で見る損出

 この状況を鑑み、日本展示会協会が試算した損失が数値で出ている。2020年の7カ月に限っての試算だそうだが、

  1. 3万8000社が展示会で得ているビジネス、約1兆2000億円の売り上げ消滅
  2. 同時に、3万8000社近くの中小企業が倒産などの経営難に陥る
  3. 約8000社の海外企業の参加なし、約7万人の海外バイヤーがこない
  4. 海外企業との取引が減少し、訪日ビジネスマンの減少を招く。
  5. 展示会場支援企業(約1000社)の、約1337億円が消滅。

 このうちの4)は、直接響くので、単にビッグサイトを使えなくする場合、漁業権保障のような問題が持ち上がると考えられる。1337億円というと、新国立競技場の当初予算とほぼ同額だ。これ以外にも、先ほど上げたコミケなど数値化されない影響も多数ある。あるべき場がなくなると大きな影響がでることとなる。

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