海野素央の Love Trumps Hate

2017年3月24日

»著者プロフィール
著者
閉じる

海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授、心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08~10年、12~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年及び12年の米大統領選挙においてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。著書に「オバマ再選の内幕―オバマ陣営を支えた日本人が語る選挙戦略」(同友館)など多数。

 今回のテーマは「トランプの信頼度」です。3月4日ドナルド・トランプ米大統領は、2016年大統領選挙期間中、バラク・オバマ前大統領がニューヨーク市にあるトランプタワーを盗聴したとツイッターに投稿しました。それから2週間が経過しましたが、トランプ大統領は根拠を示していません。同大統領の信頼性が問われています。そこで本稿では、同月16日ワシントンでジェリー・コノリー下院議員(民主党・バージニア州第11選挙区)を対象に実施したインタビューを交えながら、同大統領は信頼に足る人物かについて考えてみます。

ワシントンのトランプインターナショナルホテル(iStock)

米国民の信頼損なう「盗聴」発言

 3月20日下院情報特別委員会で行われた公聴会で、米連邦捜査局ジェームズ・コミー長官は2016年米大統領選挙においてロシア政府とトランプ陣営が連携をしていたのか捜査中であると明かしました。ロシアの情報機関が、民主党全国委員会及びクリントン陣営に対してサイバー攻撃を行いそれに成功したので、コミー長官は次の大統領選挙並びに中間選挙においても介入する可能性がある点に強い懸念を抱いています。さらに、同長官はオバマ前大統領の盗聴に関してトランプ大統領の主張を裏付ける根拠はないと証言しました。

 では、なぜ突然トランプ大統領は「盗聴」発言をしたのでしょうか。有権者の中にはロシア政府が大統領選挙のプロセスに干渉し、それがトランプ陣営に有利に働いたのではないかという疑惑の目で見ている有権者がいます。前回の大統領選挙における演説の中で、同大統領はロシアにクリントン前国務長官が削除したメールを発見するように呼びかけています。

 政権発足から2カ月が経ちましたが同大統領にはロシア政府の影が付きまとっているのです。そこで、米国民の目を逸らすためにオバマ大統領が盗聴を行っていたと発言したのです。この点に関して、コノリー議員も同様の見方をしていました。

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る