今回のテーマは「トランプの信頼度」です。3月4日ドナルド・トランプ米大統領は、2016年大統領選挙期間中、バラク・オバマ前大統領がニューヨーク市にあるトランプタワーを盗聴したとツイッターに投稿しました。それから2週間が経過しましたが、トランプ大統領は根拠を示していません。同大統領の信頼性が問われています。そこで本稿では、同月16日ワシントンでジェリー・コノリー下院議員(民主党・バージニア州第11選挙区)を対象に実施したインタビューを交えながら、同大統領は信頼に足る人物かについて考えてみます。
米国民の信頼損なう「盗聴」発言
3月20日下院情報特別委員会で行われた公聴会で、米連邦捜査局ジェームズ・コミー長官は2016年米大統領選挙においてロシア政府とトランプ陣営が連携をしていたのか捜査中であると明かしました。ロシアの情報機関が、民主党全国委員会及びクリントン陣営に対してサイバー攻撃を行いそれに成功したので、コミー長官は次の大統領選挙並びに中間選挙においても介入する可能性がある点に強い懸念を抱いています。さらに、同長官はオバマ前大統領の盗聴に関してトランプ大統領の主張を裏付ける根拠はないと証言しました。
では、なぜ突然トランプ大統領は「盗聴」発言をしたのでしょうか。有権者の中にはロシア政府が大統領選挙のプロセスに干渉し、それがトランプ陣営に有利に働いたのではないかという疑惑の目で見ている有権者がいます。前回の大統領選挙における演説の中で、同大統領はロシアにクリントン前国務長官が削除したメールを発見するように呼びかけています。
政権発足から2カ月が経ちましたが同大統領にはロシア政府の影が付きまとっているのです。そこで、米国民の目を逸らすためにオバマ大統領が盗聴を行っていたと発言したのです。この点に関して、コノリー議員も同様の見方をしていました。