WEDGE REPORT

2017年4月4日

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東京都品川区と大阪市は、成年後見制度が始まった当初から地域連携の仕組みを作ってきた先進地域だ。「認知症700万人時代に備える(PART2)」では両モデルを紐解き、持続可能な仕組みを、品川モデル、品川モデル・キーマンインタビュー、大阪モデルの3回に分けて探る─。

市民が主役の「大阪モデル」

 「いよいよ養成講座の最終日になりました。4日間の施設実習はいかがでしたか? 今日は実習で得られた経験を皆さんと共有し、学びの場にして頂ければと思います」

 2月4日、大阪市社会福祉協議会で開かれた市民後見人養成講座で、同市の市民後見活動をけん引してきた大阪市立大学大学院の岩間伸之教授が約40人の受講者に呼びかけた。

養成講座受講者に力強く語りかける市民後見人の中元圭佑さん(写真・Wedge)

 養成講座では市民後見人の先輩として中元圭佑さん(73歳)が、「人助けの形をとってはいるが自分助けの面もあり、自分が人生をどう生きていくかを日々考えるきっかけになっている」と自身の体験を力強く語った。

 大阪市は、高齢者の独居世帯率が政令指定都市の中で最も高い。品川区社協のように、社協として法人後見も後見監督も行っていないが、市民後見人による後見が進む「先進地」だ。07年から養成を始め、現在231人が登録、延べ135件の後見を受任している。なぜうまくいくのか。それは市が主体となり作り上げた、法律家や福祉の専門職団体との共同の仕組みにある。

無報酬でも市民が活躍する理由

 岩間教授は「市民後見人は市民が市民を支える活動の一環であり、あくまでも主役は市民。行政は市民が主体的に活躍するための舞台作りをする」と語る。品川区では、市民後見人は月1万円程度の報酬を得るが、大阪市は「無報酬」だ。しかし、平均訪問回数は月3~4回と、東京と比べても市民後見人の意識は高い。これは社協が「受任は1人1件」「自宅から30分以内の候補者」と、市民後見人に負担をかけ過ぎないようなルールを設けていることが大きい。

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