WEDGE REPORT

2017年4月27日

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 築地市場の移転延期によって、市場跡地の地下を通る環状2号線の全面開通が見通せない。移転延期の余波は市場関係者だけでなく、周辺住民や東京五輪など多方面に及んでいる。

 「環状2号線(環2)が開通し、都心部へのアクセスが確保されることを前提にマンションを購入したのに、これでは話が違います。多くの勝どき住民が困っています。小池都知事が政局のために都民の利便性を損ねているとしたら、とても残念です」

 築地市場から見て、隅田川の対岸に位置する勝どきに住む横井麻衣子さん(仮名)は憤る。築地市場が移転した後、環2の建設が行われ、都心部へのアクセスが劇的に改善される予定だった。しかし、築地市場が移転していないため、「築地市場の地下を通す、片側2車線の本線、500メートル弱の建設が着手できない」(東京都建設局の久野健一郎街路課長)ままだ。

東京五輪の競技会場が集中する臨海部と都心を結ぶ「大動脈」と位置づけられた環状2号線。大部分の建設は終了しているが開通時期は未定(写真・WEDGE) 
写真を拡大 移転延期で全面開通のメドが立たない状況に (出所)東京都第一建設事務所「環状2号線 事業概要」などをもとにウェッジ作成

 環2は全長約14キロの都道で、臨海部と都心部を結ぶ大動脈として機能する予定だったが、移転が延期されたため、新橋—豊洲間(3・4キロ)の開通が見通せない状況だ。周辺道路の混雑緩和も遠のき、その影響は東京五輪にも波及する。市場跡地に建設予定だった本線は地下道を掘る必要があり工期も長く、3年後に迫った東京五輪までの開通はもう間に合わない。

 そのため五輪開催時には、築地市場の端の部分に、移転後に建設することができる片側1車線の暫定道路を使うしかない。当初、計画していた片側2車線の本線では交差点を通らずに済むはずだったが、暫定道路では交差点を通らざるを得ないため信号待ちの時間が発生する。また、車線数も減るので、その分、混雑も予想される。

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