今月の旅指南

2010年7月2日

»著者プロフィール
閉じる

辻 一子 (つじ・いちこ)

岡山県生まれ。フリーライター。旅行会社のPR誌の編集者を経て、1998年からフリーランスに。旅の雑誌を中心に活躍。

 祇園祭の宵山(山鉾〔やまぼこ〕巡行の前夜)は、一名「屏風祭〔びょうぶまつり〕」と呼ばれる。昔から宵山の日に、山鉾町の旧家や老舗が屏風などの美術品を一般公開するならわしがあるからだ。

 屏風祭が最も盛んだったのは明治の頃だが、今なお十数軒の旧家が、屏風や鎧などを飾りつけた座敷を開放している。千年の歴史をもつ京都の旧家だけあって、“お宝”の質が高いことはいうまでもない。明治の画家、上村松園〔うえむらしょうえん〕が屏風祭に通い、スケッチに励んだという逸話があるほどだ。

長江家の屏風祭
写真提供:京都市文化観光資源保護財団

 元は呉服商を営んでいた長江家住宅で、今年公開されるのは、江戸時代後期に活躍した画家・岸連山の六曲一双屏風「琴棋〔きんき〕書画の図」(写真右手前)ほか12点(見学料700円)。また、今年の夏に建物が重文に指定されることになった杉本家住宅では、江戸時代中期の画家・熊代繍江〔くましろしゅうこう〕の「蘆雁図〔ろがんず〕屏風」など4~5点の屏風を公開する(有料)。長江家と杉本家は、ともに典型的な京町家。普段は見ることのできない建物内部の造りや、洗練された和のしつらいなどもあわせて鑑賞したい。

 燈籠の灯りで演出された夜の山鉾町は、昼間とはひと味違った風情が漂う。室町、新町、油小路、六角通などをそぞろ歩きながら、屏風を公開している旧家や老舗を探してみてはどうだろう。

 
 
 
 

屏風祭
〈開催日〉2010年7月14日~16日
〈会場〉京都市中京区と下京区・山鉾町の旧家十数軒(東海道新幹線京都駅からバス)
〈問〉京都市観光協会 075(752)0227
http://www.kyokanko.or.jp/
※屏風祭は個人宅や老舗が独自に行う行事なので、詳細な情報は把握できていません。ご了承ください
・長江家住宅(新町通仏光寺上ル) 
〈問〉京都市文化観光資源保護財団 075(752)0236
http://www.kyobunka.or.jp/
・杉本家住宅(綾小路通新町西入ル)
〈問〉075(344)5724
http://www.sugimotoke.or.jp/

◆ 「ひととき」2010年7月号より

 

 


 

 


「WEDGE Infinity」のメルマガを受け取る(=isMedia会員登録)
週に一度、「最新記事」や「編集部のおすすめ記事」等、旬な情報をお届けいたします。

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る