今月の旅指南

2010年7月2日

»著者プロフィール
閉じる

辻 一子 (つじ・いちこ)

岡山県生まれ。フリーライター。旅行会社のPR誌の編集者を経て、1998年からフリーランスに。旅の雑誌を中心に活躍。

マルク・シャガール
Centre Pompidou – Mnam –
Bibliothèque Kandinsky –
Rose Adler

 鮮やかな色彩と幻想的な作風で人気の高いシャガール。“ヨーロッパで活躍した画家”というイメージが強いが、実は旧ロシア帝国のヴィテブスク(現ベラルーシ共和国)の生まれ。ロシアの前衛芸術と切っても切れないつながりを持っていた。そのため、シャガールは生前、自分の作品は20世紀初頭のロシア美術のための美術館に展示されるべきものだと考え、ロシアの作家の作品と並んで展示されることを望んでいたという。

 今回の展覧会は、そんなシャガールの夢を実現させた内容で、世界屈指のシャガール・コレクションを誇るパリのポンピドー・センターから、シャガールの作品約70点を選りすぐり、同時代に活躍したロシア前衛芸術の巨匠たちの作品約40点と対比させて紹介する。

 見どころとしては、「ロシアとロバとその他のものに」をはじめとする初期から晩年までのシャガールの代表作が揃うことと、日本ではまだあまり知られていないロシア前衛芸術の旗手ゴンチャローワとラリオーノフの重要作品が日本で初公開されること。また、シャガールによる歌劇「魔笛〔まてき〕」の舞台美術の下絵など約50点が、世界で初めてまとまった形で公開されるのも見ものだ。

 20世紀の巨匠、シャガールの生涯にわたる軌跡をたどり、その知られざる一面に触れてみたい。

 
 
 
 

ポンピドー・センター所蔵作品展 シャガール
─ロシア・アヴァンギャルドとの出会い~交錯する夢と前衛~
〈開催日〉2010年7月3日~10月11日
〈会場〉東京都台東区・東京藝術大学大学美術館(山手線上野駅下車)
〈問〉03(5777)8600
  http://marc-chagall.jp/
  http://www.geidai.ac.jp/museum/

◆ 「ひととき」2010年7月号より

 

 


 

 


「WEDGE Infinity」のメルマガを受け取る(=isMedia会員登録)
週に一度、「最新記事」や「編集部のおすすめ記事」等、旬な情報をお届けいたします。

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る