世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年5月16日

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 この社説の趣旨に賛成します。台湾に中国が侵攻を企てる際に、台湾が潜水艦を保有していることは大きな抑止力になります。中国が台湾の潜水艦増強を阻止する努力をしていることがそのことを証明しています。

 台湾が日米に友好的な事実上の独立国として存続することの北東アジア情勢に与える影響は大きいものがあります。中国の接近阻止・領域拒否(A2AD)戦略は、台湾が現状を維持する限り、大きな穴が開いた形になります。台湾の現状維持は、南シナ海での人工島構築や軍事施設建設よりも、大きな意味を持ちます。

米国の会社が台湾用にディーゼル潜水艦を作る

 米国の会社が台湾用にディーゼル潜水艦を作るようになると、米議会に働きかけ米海軍にも買わせようとするのではないかと恐れ、米海軍は、米国の会社がディーゼル潜水艦を作ることに反対したといいますが、大きな戦略問題と米海軍の調達問題という小さな問題を混同した誤った判断です。

 ただ、次善の策として、台湾での建造、建造技術の台湾への提供を考えるのは良いことです。日本にもディーゼル潜水艦建造の高い技術があります。米国が台湾に技術を供与する際に、必要に応じて、かつ日本の法制を考慮しつつ、協力する余地があるように思われます。困難な問題ですが、検討してみるとよいでしょう。

 中国側は台湾が潜水艦を持つことに大反対し騒ぎ立てるでしょうが、こういう問題について中国側の意見を取り入れても、中国側が対台湾武力行使への準備を緩めたり、両岸間での意味ある軍備管理の話し合いをする用意を示すことは考え難いです。中国の出方を心配して自己規制するのが最もまずいと思われます。

  
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