世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年5月24日

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 ワシントン・ポスト紙コラムニストのイグネイシャスが、4月20日付同紙掲載の、サウジのムハンマド・ビン・サルマン副皇太子との長時間のインタビューで、副皇太子がサウジを国民が生活を楽しめるような国に改造したいと考えていると述べた旨を記しています。要旨は以下の通りです。

(iStock)

 副皇太子がサウジを変える運動を始めて2年になるが、経済、社会改革を進めるための政治的指導力を強めているようである。

 副皇太子は、改革にとって重要なのは国民が伝統的社会の変革を喜んで受け入れることである、もし国民が納得すれば変革を妨げるものは無い、と述べた。

 サウジ国民の変化への希望は強まっている。さる世論調査によれば、サウジ国民の85%が、政策について宗教指導者よりは政府を支持すると述べた。また77%が政府の改革計画「ビジョン2030」を支持し、82%が公共の場所での、男女が参加する音楽の公演を望むと答えた。

 改革計画はゆっくりではあるが着実に進んでいるようである。経済面での最大の変化はサウジアラムコの株の5%の公開である。おそらく何千億ドルもの資金を得ることになると思われる。それは経済の石油依存を減らし、多角化を図るために使われることとなろう。優先分野の一つは鉱業であるが、そのほかに軍需産業、自動車生産、娯楽、観光産業の創設などに使われるだろう。

 娯楽産業はサウジ経済の開放の象徴といえる。

 すでに変化は始まっている。4月、女性の演奏家を含む日本のオーケストラがリヤドで演奏し、聴衆には女性も含まれていた。漫画などの大衆文化のイベントであるComic Conが最近ジェッダで開かれた。

 娯楽振興の責任者であるAhmed al-Khatibは、「我々は文化を変えたいと思っている」と述べた。生真面目でありがちな国であったサウジに「幸せをひろげる」のが目的であるとのことである。

 副皇太子は宗教問題については慎重な話しぶりである。これまで彼は宗教指導者たちを文化の敵ではなく、過激主義に対する同盟者として扱ってきた。副皇太子によれば、サウジにおける極端な宗教的保守主義は、1979年のイラン革命と、同年のスンニ過激派によるメッカのモスク占拠事件に対する反応として生まれた、比較的新しい事象である。

 副皇太子は言った:「私は若い。サウジ国民の70%は若い。我々は過去30年我々がいた渦巻きの中で人生を浪費したくない。この時代は終わらせたい。我々はサウジ国民としてこれからの日々を楽しみたい。そして我々の宗教と慣習は維持しつつ、我々の社会を、そして個人、家族として我々を発展させたい。我々は1979年後の時代を続けない。その時代は終わった」。

出典:David Ignatius,‘A young prince is reimagining Saudi Arabia. Can he make his vision come true?’(Washington Post, April 20, 2017)
https://www.washingtonpost.com/opinions/global-opinions/a-young-prince-reimagines-saudi-arabia-can-he-make-his-vision-come-true/2017/04/20/663d79a4-2549-11e7-b503-9d616bd5a305_story.html

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