「大人」とは何でしょうか。成人したとき、社会人になったとき、初めて先輩になったとき、リーダーになったとき、節目節目に迫られる大人の定義に、私たちも頭を悩ませます。ひとつ確かなことは、自分で「大人だ」と思った瞬間に成長はなく、いくつになっても貪欲に学び続けることは大事だということです。単なる知識だけでなく、広い見聞とともに本から教養を学ぶ。本特集ではウェッジブックスでも指折りの教養本をご紹介。「大人」として学び続けるあなたの一助になれる7冊を選んでいます。

1. 世界史を突き動かした英仏独三国志 対立と協調の欧州500年史

関眞興 

世界史を突き動かした英仏独三国志
対立と協調の欧州500年史

イギリスVS.フランスVS.ドイツーー英EU離脱は必然だった!日本人が知っておきたい「隣国」同士の仲が悪い本当の理由。世界の諸問題の根源がわかる。

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大局を知るためには、世界の動向や歴史を知ることも欠かせません。本書では中世から現代まで500年間の英・仏・独の歴史を凝縮、欧州の宗教戦争や国家対立といった諸問題の「根源」をあらわにしています。近年もイギリスのEU離脱やコロナへの対策の違いなど揺れに揺れているヨーロッパ。その動きはそのまま大国アメリカや、もちろん日本にも影響を及ぼします。中心ともいえる三国を取り上げ、新たな解釈を与えてくれる一冊です。

2. ゲノム編集食品が変える食の未来

松永和紀

ゲノム編集食品が変える食の未来

2050年、100億人の食を支え期待される「ゲノム編集食品」。だが、誤解による感情的な反発も多い。技術革新の科学的な真実から食の未来を考える。

 

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「ゲノム」とは、DNA上の全遺伝情報のこと。生物のゲノムの特定の場所を人為的に切り遺伝子を変異させる「ゲノム編集」の技術は、2020年10月にノーベル化学賞を受賞しました。2012年に発表され、わずか8年でノーベル賞にまで評価されたこの技術は、現在の食糧危機を救う光となる可能性を秘めています。さらにコロナとの意外な、だけども複雑に絡み合う関係と、それがもたらす新たな食糧問題など、今知っておくべき食の安全を丁寧に解説してくれます。

3.覇権の歴史を見れば、世界がわかる 争奪と興亡の2000年史

島崎晋

覇権の歴史を見れば、世界がわかる

躍動の「中」VS.反撃の「米」VS.不穏な「韓中露」―――繰り返される「覇権」をめぐる争いの構図! 4000年の世界史が教えてくれる 激動の東アジア情勢で日本が進むべき道。

 

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国の存亡はいつも国家間の覇権争いに集約されます。なぜ大国は強大な力を持ちえたのか、そして潰えた国はなぜ衰退の道を辿ったのか。今ある国々の成り立ちを、「覇権」という新しい切り口で整理してくれる歴史教養本です。現代の国際社会の構図を理解できるようになるだけでなく、私たちオトナ世代にとっては組織のリーダーとしての戦略や立ち振る舞いなど、規模は違えど歴史から学べるものはきっと少なくないでしょう。

4.はじめまして、法学 身近なのに知らなすぎる「これって法的にどうなの?」

遠藤研一郎

はじめまして、法学 身近なのに知らなすぎる「これって法的にどうなの?」

「家族」「所有」「事件・事故」「居住」「仕事」といった身近な5つのテーマを軸に、法律の解釈をやさしく解説。未然にトラブルを防ぐためにも習得しておきたい、‶法的なものの考え方″がよくわかる!

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普段は馴染みのない法律的な知識も、オトナとしては身に付けておきたい教養の一つ。「法律初心者のための本当の入門書」と銘打った本書で、身近な事柄だけでも押さえておきましょう。親子のあり方や所有権、事件と事故の違いなど、いつも何気なく接していることが法律的にどう解釈・定義されているのか、分かりやすくまとめられています。さらに映画・ドラマ・小説などのストーリーの中から、楽しみながら具体的な法律知識を教えてくれます。

5.人工知能はこうして創られる

編著:合原 一幸、 著:牧野 貴樹、金山 博、河野 崇、青野 真士、木脇 太一

人工知能はこうして創られる

人工知能開発にかかわる執筆者たちが日進月歩の人工知能を多面的に解説。

 

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AIや人工知能、と一口にいっても実際には各分野で語られる内容も異なります。ならばそれぞれの専門家に語ってもらうのが一番早いということで、第一線の研究者に人工知能を多角的に解説していただきました。数理、システム、言語処理、医療など、人工知能の基礎から応用まで幅広く学ぶことができます。ニューラルネットワーク、ナチュラルコンピューティング、ディープラーニング……あなたはいくつ説明できますか?

6. 旅行記・滞在記500冊から学ぶ 日本人が知らないアジア人の本質

麻生川静男

旅行記・滞在記500冊から学ぶ 日本人が知らないアジア人の本質

各国の文化のコアをつかむことができれば、ビジネスを成功に導くことができる!

 

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読書の最も素晴らしい体験の一つとして、先人が時間をかけて得た経験や知見を一気に吸収できることが挙げられるでしょう。「旅行記・滞在記500冊」を読み込んだ著者の教え……タイトルからして気になりませんか?本書では世界の旅行記・滞在記を読み尽くしたからこそ辿り着いた、筆者いわく「文化のコア」をアジアを中心にまとめています。経験からくる確かな知見を吸収でき、まさに教養を育てるうえで、自身の価値観や倫理観にも反映できる一冊です。

7. 「何から読めばいいか」がわかる 全方位読書案内

齋藤孝

「何から読めばいいか」がわかる 全方位読書案内

実践的読書法、本について思うこと、驚愕の読書遍歴──。齋藤先生の教養の身につけ方、本の選び方・読み方を全公開。全317冊書籍リスト付。

 

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教養が身に付く本を読むことも大切ですが、教養が身に付く本の読み方を知ることも大事です。教養の人といえば齋藤孝先生ということで、齋藤先生が膨大な読書経験からおすすめする、教養が身に付く本の選び方と読み方を本書では紹介しています。さらに、317冊にもなる書籍リストも付いており、読むべき本までサポートしてくれる手厚さです。本で得た断片的な知識を、どう仕事や人生に結び付けて活用するのか、そのヒントがここにあります。

 

生涯学習ともいうように、人生は勉強することばかりです。自分の興味・関心だけでなく、幅広いジャンルから情報を集めることで、思いがけないアイディアにつながることもあるでしょう。ここでご紹介した本たちが、あなたの今後の学び続ける糧になるのであれば、これほど嬉しいことはありません。