川は生きている

川の文化と科学

森下 郁子
川は生きている
川は生きている
川の文化と科学
森下 郁子

川は昔から、日本人の生活に欠かせないものであった。豊穣な漁場、物資を運ぶ交通路、ときに心を癒す美しい風景として。もちろん、生き物や植物にとっても、川はなくてはならないものである。本書では、この「川文化」とも呼ぶべき川の恩恵を科学の視点から見ることによって、次代に引き継ぐべき豊かな川の姿を探る。

定価:1,540円(税込み)
B6判並製、212頁 
発売日:2009年 6月20日
ISBN:978-4863100510
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おだやかに流れる川の風景は、日本人の心にしっかりと根付いている。「もし川がなかったら」と考えると、季節の風景はずいぶん味気ないものになりそうだ。田んぼを流れる小川から、街を蛇行する大きな川まで、人びとはその水辺に集い、散歩やジョギング、キャンプや魚釣りを楽しむのである。
また、オープンスペースとしてだけでなく、川はむかしから生活の一部として大切なものである。生活用水や農業用水としての利用、豊饒な漁獲による貴重な蛋白源の確保。昭和のひところまでは、舟を利用した交通・運搬路としても利用されてきた。
もちろん、川を必要としているのは、人間だけではない。川や流域の生き物や植物はもちろん、自然地理として見た川の必要性など、環境にとって川はたいへん重要なものである。
そうした、川と人間、川と自然環境がうまくバランスを保ち、私たちが川とふれあい、豊かな水環境を得ているのは、水質学や河川工学といった、川を研究する科学者たちの努力の賜物である。本書では、科学の知見によってふだん何気なく接している川がいかに支えられているかを紹介する。

著者プロフィール
森下 郁子 (もりした いくこ)

社団法人淡水生物研究所所長。奈良女子大学理学部動物学科卒、工学博士。兵庫県河川審議委員、応用生態工学研究会副会長、環境技術学会副会長、日本河川協会理事、国土技術研究センター理事などを歴任、大阪産業大学教授などを経て現職。専門は、陸水生態学、比較河川学、ダム湖学。
著書に『川の健康診断』(NHKブックス)、『環境を診断する』(中公新書)、『川にすむ生き物たち 川と人間シリーズ』(農文協)、『共生の自然学 川と湖の博物館シリーズ』(森下依理子との共著、山海堂)、『川の話をしながら』(創樹社)、『川のHの条件』(森下雅子・森下依理子との共著、山海堂)、『川の魚 川の学校シリーズ』(森下依理子との共著、学研)など。

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