<好評7刷>(2007年10月)
過渡的状態であれ、その先に実現されるかもしれない新たな秩序の下であれ、いずれにしてもこれからの個人は理想的な個人でない限り、そのような人間圏の社会システムからは落ちこぼれていくだろう。理想的な個人となるにはどうすればいいのか。じつはそれ程むずかしいことではない。要するに自分の座標軸を持てばよいだけのことだからである。 自分の座標軸とは何か。それは自分と他との関係性を整理して納める整理箱のようなものである。時空というスケールの座標のなかに世の中のあらゆることが整理され、さらに自らも位置づけられる、そのような座標軸を確立すればよいということである。それが歴史を学ぶことから得られるのは本文から明らかになるだろう。しかし歴史といっても従来の歴史学の意味ではなく、宇宙、地球、生命、そして人類の歴史にまで拡大した歴史である。
本書はそのような座標軸をいかにして持つに至ったか、その過程についての三人のてい談をまとめたものである。本書を手にされる読者の中にも二十代前半の方が多くいると思う。その頃までに見た人々の夢は必ず実現する。というかその人の人生はそのころ見た夢で決まっているといっても過言ではない。あるいは夢へ再挑戦する三十、四十代の方も多いだろう。本書がそのような夢を見る、あるいは新たなる夢を再構築するトリガーとして作用してくれれば著者らの望外の喜びである。(本書「はじめに」より)