地球は宇宙のなかで、どこにでもある普遍的な存在なのでしょうか。それとも、たった一つの特殊な「奇跡的な惑星」なのでしょうか。
惑星物理学の第一人者である松井孝典氏は、地球の内部構造、地表、大気、磁気圏などを、太陽系の星々~水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星~などと比較して、地球の普遍性(他の天体と共通するもの)と特異性(地球だけに独特のもの)を探ります。
日本科学未来館館長の毛利衛氏は、宇宙飛行士としての体験から「ユニバソロジ」という新しいものの見方・考え方を提案します。スペースシャトルから地球を見ると、地球の表面は顕微鏡からのぞいた細胞とそっくりに見えるそうです。巨大なものと最小のものが相通じている。地球規模で起こる現象はすべてつながっている、ということを宇宙で認識したと語ります。
そして、物理学者の田近英一氏は「地球環境と生命の進化」について語ります。地球の長い歴史において、現在は温暖期ではなく寒冷な氷河時代に分類されるということをどれだけの人が知っているでしょうか。
海洋生物学者の長沼毅氏は「地球型生命とは何か」を問いかけます。深海に生息するチューブワームという生き物は、動物なのに口も消化管もありません。体内のバクテリアが二酸化炭素を原料にして自分の体と栄養を作り出してしまうのです。ひと口に生命といってもいろんな形があります。生命もまた「たった一つの存在」ではないのです。