田部康喜のTV読本

2017年11月8日

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田部康喜 (たべ・こうき)

東日本国際大学客員教授

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 宮藤官九郎が脚本を手がける、TBS「監獄のお姫さま」(火曜夜10時)は、天才クドカンによるパロディーやギャクが満載のドラマである。テーマは、冤罪事件の真相を暴こうという推理もの。

 小泉今日子、満島ひかり、菅野美穂、坂井真紀、森下愛子の5人組が、殺人事件の容疑によって服役中の江戸川乳業の社長令嬢・しのぶ(夏帆)の救出に立ち上がる。

(iStock/Zentangle)

 しのぶと婚約者である板橋吾郎(伊勢谷友介)が6年前、婚前旅行で沖縄に行った時に事件は起きる。海辺の崖の上から、吾郎のかつての恋人である横田ユキ(雛形あきこ)が転落したのが発見される。遺体には凶器が刺さっていた。

 しのぶからユキの殺人を依頼されたというタイ人が逮捕された。吾郎の証言によると、崖の上で、そのタイ人がユキに向かって凶器を向けて突きかかってきたのを、ユキをかばって肩に深手を負ったという。しのぶは殺人の罪で12年の懲役の判決を受けた。

 ドラマは、2017年12月24日のクリスマス・イブと、しのぶが収容された女子刑務所の6年前の出来事が繰り返し行き来するなかで進行する。

「あまちゃん」のあのセリフも

 口癖が「冷静に」でニックネームにもなりそうになった元銀行員の馬場カヨ(小泉)は夫に対する殺人未遂事件で、「財テク」ことカリスマ経済アナリストの勝田千夏(菅野)は所得隠しと脱税、「姐御」こと足立明美(森下)は違法薬物不法所持、「女優」こと大門洋子(坂井)は横領と詐欺で服役。「先生」こと若井ふたば(満島)は刑務官である。

 第1話「誘拐」(10月17日)の冒頭から、パロディーにつぐパロディーで観客を驚かせた。画面のアップで登場するイケメン社長の吾郎(伊勢谷)とアナリストの千夏(菅野)は、爆笑問題の「サンデー・ジャポン」の出演者である。

 カレーを食べ続けて痩せるというテーマをひとまず終えて、司会の太田光がいう。

 「やせたいのにカレーを食べ続けるって、俺的にはじぇじぇじぇですね」

 「じぇじぇじぇ」はもちろん、クドカン脚本の朝のテレビ小説「あまちゃん」のなかで、登場人物が驚くときに使う方言である。

 フロアーのアシスタント・ディレクターがカンペを吾郎に示す。

 「息子さんを誘拐しました」

 驚く吾郎。次の瞬間、崖から墜落する女性、突き刺さった凶器、競馬などのシーンがフラッシュバックする。

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