ネット炎上のかけらを拾いに

2017年11月18日

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(iStock/HASLOO)

 ネットでお金を集められるのは結局人気者だけ。

お金がないから出産費用を募るという発想

 ネット上で「ほしいものリストを公開してます」という文言を目にするようになって、どのくらい経っただろうか。ショッピングサイトamazonでは「ほしいものリスト」を作成する機能があり、さらにこれを他人に向けて公開できる。なぜ他人に向けて公開するかといえば、早い話がインターネットを通じての「おねだり」をするためである。たとえば誕生日や記念日が近づいたころに「ほしいものリスト」を公開する。

 誕生祝いや結婚祝いを贈ろうと思っている人にとっては、相手が何を欲しいかがわかるので便利な機能でもある。その一方で、ツイッターのフォロワー数が多いなど、ネット上に“ファン”が多い一般人が、「ほしいものリスト」をファンに向けて公開し、「公開おねだり」をする様子もしばしば見かける。

 筆者がこの文化を最初に目にしたのは4~5年ほど前だっただろうか。若い人が「ほしいものリスト」を使いこなしているのを見て、「自分はあんなにうまくできないなあ」と思ったものの、インターネットでのコミュニケーションに慣れた若い人にとっては当然の風景なのだと感じた。

 が、当時、SNSをあまり利用しない人に「ほしいものリスト」を公開する一部のカルチャーの話をする機会があり「なんすかそれ、厚かましいっすね」と唖然とされたのも事実だ。「ほしいものリスト」が普及し、おねだり的な機能として使うコミュニティーが誕生し、その中で「こういうおねだりも現代はアリ。だってインターネットだからね」という了解ができあがる。その流れを目にしていない人にとっては、唐突なのだろう。

 さて前置きが長くなったが、数週間前からツイッター上で「出産クラウドファンディング」という言葉が聞かれる。

 クラウドファンディングとは、ネット上での資金調達。プロジェクトを公開し、それに賛同した人から資金を募る。起案者は出資者に対して、資金額に応じてリターンを用意する場合が多い。複数のクラウドファンディングサイトがあり、たとえばあるサイトを覗くと「病児・障がい児にデジタルアートで革新的なリハビリを届けたい!」「国内初!ろう・難聴の選手たちに「音声が見える」空手道大会を」といった案件が並んでいる。NPO法人などが社会的なプロジェクトを達成するために賛同する人から「寄付」を募る目的で利用していることが多い、という印象がある。

 とはいえ、個人での利用がないわけではない。今回話題になった「出産クラウドファンディング」もそのひとつだ。

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