世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年12月7日

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 この論説は、興味深い論説です。北朝鮮核問題について、中国内部ではいろいろな議論があることを良く紹介しています。かなり取材をした結果なのでしょう。

 王毅外相は、以前、「北の核問題は米朝間の問題で、中国の問題ではない」という趣旨の発言をしたことがあります。「凍結のための凍結」などは、その考え方から出たものであるが、北も米国も応じる気がありません。中国は、王毅外相が言ったような姿勢でいることができなくなってきています。

 米中間で北朝鮮の核をどうするか、北朝鮮をどうするか、さらに朝鮮半島をどうするか(二国家併存か統一か)などじっくりと話し合うことになれば、北朝鮮問題の解決が見えてくるかもしれません。しかし、中国がそういう話し合いに応じてくるか否かはいまだ不透明です。

 北に対する圧力強化とともに中国にも北の核開発が中国に不利な状況を作ることを示していく必要があると考えられます。

 中国が対北制裁をきちんとやることを求め、北と中国の関係改善の選択肢(北は習近平に祝意を述べるなど関係改善を狙っている)をなくすことがまず重要です。

 次に、北の核開発が中国に不利な状況を作り出すことを中国に分からせる措置が必要です。

 日韓の核兵器保有が最も効果があるのでしょうが、これはなかなか難しいことです。ただ、日本がNPT脱退を検討するというだけでも相当な効果はあるでしょう。

 もっと現実的な措置は日米によるミサイル防衛の大々的展開です。レーガン大統領はSDI(戦略防衛構想)を打ち出し、これにソ連が驚愕し、レーガン、ゴルバチョフのレイキャビク会談になりました。当時、ソ連は、自分たちの核兵器を時代遅れのものにしようとする米国の計画に大慌てしました。これに倣い、北の核開発を中国が止めないと、中国の戦略核兵器の威力を大幅に減じるようなミサイル防衛が出来上がってくる、と考えさせるのです。韓国へのTHAAD配備への中国の反応を見ると、これは十分に成果が期待できる戦術でしょう。北の核を使えなくする手段にもなるでしょう。もっともミサイル防衛が飛んでくる核ミサイルを全部撃ち落とせるなどとは考えられません。

 トランプ訪中の結果は、良く分析する必要があります。その分析に際しても、一つの視点をこの論説は与えてくれます。

  
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