世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年12月22日

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 米国による北朝鮮のテロ支援国家再指定について、11月20日付のウォールストリート・ジャーナル紙は、これを全面的に評価し、支持する社説を掲載しています。要旨は、次の通りです。

(iStock.com/Thomas Northcut/ Stockbyte/Photodisc/Paniti0841232276)

 トランプ大統領は、前任者たちの誤りを避け北朝鮮の核戦力増強を止めることを約束しているが、20日、北朝鮮を国務省のテロ支援国家リストに再指定し、象徴的な一歩を踏み出した。指定は、実際的効果と同時に道徳的効果もあるが、外交的真実を知らしめたという意味で歓迎される。

 トランプは「北朝鮮は世界を核の災厄で脅すのみならず、海外での暗殺を含む国際テロを繰り返し支持して来た」と述べた。

 レーガン大統領は、北朝鮮の工作員がビルマで韓国の4閣僚を殺害し、大韓航空858便を爆破して乗客115人を殺害したことを受け、1988年に北朝鮮をテロ支援国家に指定した。米諜報当局は、2014年のソニー・ピクチャーズへのサイバー攻撃の背後には北朝鮮の存在があると信じている。北朝鮮は、2007年にイスラエルが爆撃した、シリアの核兵器製造のための工場も支援していたと考えられる。そして、日本人拉致や国外逃亡者の殺害を忘れてはならない。

 ブッシュ(子)大統領は、コンドリーザ・ライス国務長官の北朝鮮に核放棄を懇願するという成功見込みのない賭けの一環として、2008年に北朝鮮をリストから削除した。北朝鮮は秘密裏に核計画を推進しながら譲歩を手にし、計画を止めると約束した。北朝鮮は6回の核実験を実施し、日本の上空に弾道ミサイルを発射し、間もなく米本土に到達し得る核ミサイルを保有し得るだろう。

 テロ支援国家再指定は、北朝鮮の犯罪的行為を浮き彫りにし、体制をさらに孤立させよう。ティラーソン国務長官は、20日、再指定により、第三者が北朝鮮と共に行動することを思いとどまるよう望む、と述べた。

 金融その他のライフラインは、犯罪的金一族が国連の制裁を嘲り、軍を買収し、飢饉にも拘わらず権力を維持することを可能にしているが、再指定は、このような金融その他のライフラインを切断する米国のより広範な取り組みの一環である。トランプは、財務省が21日に北朝鮮と取引のある国家や企業をさらに締め付ける新たな制裁を発表するとしている。

 北朝鮮は核兵器を諦めないというのが通説だが、その主張を試すことのできる唯一の方策は、あらゆる側面から北朝鮮の体制を可能な限り締め付けることである。

出典:Wall Street Journal ‘North Korea, Terror Sponsor’ (November 20, 2017)
URL:https://www.wsj.com/articles/re-listing-north-korea-1511214435

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