2月9日、世界4位のスマートフォンメーカー、OPPOが日本市場に進出する。
世界スマートフォン市場のトップ10メーカーは、サムスン、アップル、ファーウェイ、OPPO、Vivo、LG電子、シャオミ、レノボ、TCL、ZTEという並びだ(2016年実績、TrednForce調べ)。中国勢が7社と過半数を制している。その中でもファーウェイに次ぐナンバー2位、世界4位の位置につけるのがOPPOだ。
日本での知名度は決して高いものではないが、海外旅行中に広告を目にした人は多いのではないか。中国以外ではタイやベトナムなどの東南アジア、インド、オーストラリア、ニュージーランド、さらには欧州やアフリカなど世界30の国と地域で事業を展開しているが、大量の街頭広告を投下しているため、旅先で緑を基調としたOPPOの看板に出会うことが多い。
あるいはオーディオファンならばなじみがある名前だろう。AV機器を扱う関連会社OPPO DIGITALは2013年に日本支社を設立している。OPPO Digital Japanの河野謙三代表取締役によると、日本ハイエンド・ブルーレイプレーヤー市場で1位のシェアを持つという。
「小覇王」から世界4位へ
ここで簡単にOPPOの成り立ちを紹介したい。その成長物語と日本市場進出はある意味、「日中逆転」の縮図とも言えるからだ。
OPPOは2001年に広東歩歩高電子工業(BBK)のブランドとして成立した。BBKの創業者・段永平は、1980年代にファミコン互換ゲーム機で成功した人物だ。段が開発した小覇王学習機は子ども向け学習玩具と銘打たれていた。タイピングやプログラミングなどの勉強ができ、“ついでに”ファミコンのゲームも遊べるという不思議な仕様だ。「子どもがコンピュータを学ぶためだから」と親向けにお財布を緩める大義名分を用意し、「ゲームが遊べる」と子どもを引きつけるという手法をとったわけだ。