赤坂英一の野球丸

2018年2月14日

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 相撲協会はこういう姿勢を見習うべきではないか。プロ野球キャンプたけなわの6日、西武が投手・今井達也(19歳)が未成年にもかかわらず、1月下旬に所沢市内で喫煙していたことを公表。4月末までユニフォームを着用させず、対外試合出場を停止する処分をくだした。西武の教育不足であり、恥ずべき不祥事には違いないが、国技・大相撲の隠蔽体質が批判されている折、プロスポーツ団体としてコンプライアンスの模範を示した、とかえって高く評価したくなった。

(Dynamic Graphics/iStock)

 こういう事件、一昔前のプロ野球界なら十中八九、表沙汰にしていないはず。相撲協会の幹部ふうに言えば、「内々で済む話だろう」とばかりにもみ消そうとするのが常だった。いや、いまでも球団や選手によっては、ひた隠しにしようとするかもしれない。

 今井は作新学院高校出身で、最速152㎞を誇り、高校3年時の2016年夏、甲子園で優勝投手になった元高校球界のスターだ。その年のドラフト会議で西武が単独1位指名、かつて岸孝之(現楽天)が背負っていた背番号11を与えて、菊池雄星に次ぐエース候補として育成していた。右肩の故障などでまだ一軍未登板ながら、たばこを吸っていることがバレたら雇ったほうにとっても赤っ恥だ、と球団サイドが考えてもおかしくはない。たぶん、相撲協会の関係者ならそう考えるだろう。

 しかし、西武はあえて〝金の卵〟の失態を自ら公表した。今井は公共の場所で喫煙しており、不特定多数の市民にも目撃され、外部から球団に通報があったことを重大視したのだ。今井は現在、高知市春野町のB班(二軍)キャンプで練習中だが、ライオンズのロゴが入ったユニフォームを着ることを禁じられ、ひとりジャージ姿で汗を流している。19歳の若者にとっては非常に厳しいペナルティーだが、それだけに自分の落ち度、社会人としての未熟さを痛感しているに違いない。

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