ネット炎上のかけらを拾いに

2018年4月4日

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 同じ土俵に乗りたくないと放っておいたら取り返しのつかないことになるのかもしれない。

(iStock/golibtolibov)

睾丸のサイズと政治的態度を重ね合わせる謎の文章

 よくわからないものを読んでしまったというのが第一印象であり、その後二度三度と読み返してみてもよくわからない。「「日本型リベラル」の真相は何か」(http://www.sankei.com/column/news/180328/clm1803280004-n1.html/産経ニュース3月28日)という文章だ。

 ツイッター上で「睾丸」「テストステロン」などの言葉が散見されるのを何かと思っていたら、発信源はこの文章だった。執筆者は動物行動研究家・エッセイストの竹内久美子氏。この文章は、『「日本型リベラル」の化けの皮・別冊正論』(産経新聞社)に掲載された「動物学で日本型リベラルを看ると――睾丸が小さい男はなりやすい!!」の要約版といったところで、産経ニュースではさすがに「睾丸」の文字は出てこない。代わりに「テストステロン」(「男性ホルモンの代表格であり、男の魅力を演出する」と説明されている)という言葉が多く使われている。

 文章の前半はやや私怨にも見える内容が書き連ねられ、ここもなかなか首をかしげたくなるが、後半の比ではない。後半で書かれていることは、まとめると「日本型リベラルの正体は、モテない男。日本型リベラルの思考の持ち主はテストステロンの値が低い、つまりモテない男である」。

 その根拠は……。実は産経ニュースの記事には「日本人の男は欧米やアフリカ系に比べて一般的にテストステロンの値が低い。つまり魅力が少ない」「その中でも特にテストステロンのレベルが低い、モテない男が日本型リベラルになる」といった内容よりも具体的なことが書いていないのだが、『別冊正論』の記事を読むと、竹内氏が、「中国・北朝鮮・日本」で共産党が残っていることを根拠に、「欧米やアフリカ系に比べて睾丸の小さいアジア男性=モテない=リベラル思考に活路を見出す」と論旨を組み立てていることがわかる。

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