定年バックパッカー海外放浪記

2018年5月6日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年生まれの62歳。横浜生まれ、神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

17歳の女子高生の夢はヒマラヤの山嶺の彼方に

 4月12日。テラスでの朝食のとき2人の邦人女子と一緒になった。1人は美大を卒業したばかりのCちゃん22歳。もう1人は高校3年生17歳のAちゃん。Aちゃんは数日前に日本からカトマンズに到着。

カトマンズ市内の目抜き通り。埃っぽいのでマスクは必需品

 前日街を散歩していたら行者のようなお爺さんがいたので写真を撮ったら、しつこくお金を要求されて結局10ドル取られてしまったという。あどけない童顔のAちゃんはどうも頼りない。現地のおかしな人間の言うことを真面目に取り合わないようにオジサンは衷心からアドバイス。そもそも高校の一学期が始まるという時期になぜ女子高生がネパールに来たのか。聞いて仰天。

 Aちゃんは前年日本で働いていたネパール青年と仲良くなった。彼はビザが切れてネパールに帰国してしまった。彼を通じてネパールが大好きになったので、高校卒業後にネパールに留学して将来はネパールに永住したいという。今回は留学先の下見に来たという。17歳でそこまで人生設計していることに驚いた。

 後日談。Aちゃんは2017年秋に再度ネパールに渡航して短期留学。そしてくだんのネパール青年と再会して結婚。めでたし、めでたし。

絵を描くことが私の人生です

 Cちゃんは美大で日本画を専攻。在学中に早くも個展を開いており、2017年にも個展を開くという。それだけでなく既にプロとしてお寺のお堂の壁画、デパートやホテルの壁画などを多数手掛けている。来年まで様々な作品依頼や個展準備などでスケジュールが一杯である。22歳にして“新進女流日本画家”である。

カトマンズ近郊のナガルコット村からヒマラヤを眺望

 子供の頃から絵が好きで、高校も芸術高校の日本画コース。高校時代から世界各地を歩いてインスピレーションを吸収してきた。大学時代にはベンガルの農家の藁と家畜の糞尿にまみれた納屋に寝泊まりして土地の織物のデザインを学んだり、フランスやカナダの芸術工房で勉強したりと地球的視野を広めた。

 今回のネパールではチベット仏教絵画を学ぶのが目的という。僧房で修行僧と寝食を共にしてチベット仏教の基本を学ぶところから始めた。

 Cちゃんの生き様は徹底した芸術至上主義である。平時は朝8時に絵筆を取り、深夜2時に筆を置くという日常。Cちゃんの作品と生き方は人々に感動を与えるようで、国内外に多くのファンがいる。彼女の作品は日本画の伝統的技術の上に自然科学、宗教、歴史、神話、民話など様々なモチーフがちりばめられている。今まで見たことがない超モダンでシュールな印象を受ける。

 2018年に23歳になったばかりのCちゃんの真摯で超人的な創作活動から目を離せない。

⇒第7回に続く

  
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