世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年6月14日

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 マティス国防長官の演説は、ハリー・ハリス太平洋軍前司令官に対し賛辞を送り、フィリップ・デイヴィッドソン新インド太平洋軍司令官を歓迎し鼓舞したものである。

 同盟諸国(allies)、パートナー諸国(partners)、諸国(countries)という言葉は多々使用されているが、国の固有名詞が出てきたのは北朝鮮のみである。しかし、演説内容から、明らかに中国に対して警告を発していることが分かる。特に、中国が掲げる「一帯一路」構想に対して、多帯多路(many belts and many roads)という言葉を使用していることからも、それは明白である。

 大小かかわらず国家主権が重要と言っているのも、大国を自負する中国に対して、インド太平洋地域の他の様々な中小諸国を仲間として、同盟国ないし友好国として受け入れる用意があることを示している。この内容は、5月2日にターンブル豪首相とマクロン仏大統領が、「大魚が小魚や小エビを食べてしまってはいけない」と言っていた比喩とも重なる。

 太平洋軍がインド太平洋軍と改名した5月30日の翌日、5月31日、この改名を象徴するかのように、米海軍は、インド海軍及び海上自衛隊とともに日米印の3か国共同軍事演習「マラバール2018」をグアム沖で行った。

 なお、デイヴィッドソン新司令官の政策等に関しては、上院で行われた指名承認のための公聴会が参考になる。本ウェッジのサイト上の岡崎研究所の記事でも扱っているので、参照されたい。(5月7日掲載5月8日掲載、及び5月15日掲載。)

  
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