中島恵の「中国最新トレンド事情」

2018年7月3日

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中島恵 (なかじま・けい)

ジャーナリスト

1967年山梨県生まれ。新聞記者を経てフリージャーナリスト。主な著書に『中国人エリートは日本人をこう見る』『中国人の誤解 日本人の誤解』(ともに日本経済新聞出版社)、『爆買い後、彼らはどこに向かうのか?』(プレジデント社)、『なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?』『中国人エリートは日本をめざす』(ともに中央公論新社)、『なぜ中国人は財布を持たないのか』(日本経済新聞出版社)、『中国人富裕層はなぜ「日本の老舗」が好きなのか』(プレジデント社)などがある。

ここ数年、中国では、インテリアや家具への興味とともに、日々の暮らしを楽しむゆとりのある人々が増えている。日本のハウスキーピング協会(特定非営利活動法人・一般社団法人)には、そんな中国人から「日本の整理収納」に関する問い合わせが舞い込んでいるという。中国人は日本の整理収納に対し、どのような関心を持っているのか。同協会副理事長の澤一良氏にお話をうかがった。

(AnikaSalsera/iStock/Getty Images Plus)

―ーハウスキーピング協会の概要について簡単に教えていただけますか。

澤氏:ハウスキーピング協会は、多種多様な家事能力の養成を行うために設立されたもので、2004年にNPO法人を設立、2009年に運営面を充実するため、一般社団法人を設立しました。

 整理収納に関する幅広い知識やノウハウをもとに一般家庭などで具体的なアドバイスや指導を行う整理収納アドバイザーや、依頼者の家の構造やライフスタイルなどを考慮し、整理収納に関する根本的な問題解決を目指す整理収納コンサルタントなどの人材育成、資格認定などを行っています。これまでに当協会が認定した整理収納アドバイザーの2級取得者は全国で約10万8000人、同1級取得者は約8200人に上っています。

 企業や団体向けに整理収納マーケティングを行ったり、整理収納に関する啓蒙活動なども行っています。

―ー整理収納については、テレビや雑誌などでも特集され、話題になっていますね。

澤氏:そうですね。モノが少ない時代はモノがあること=幸せという価値観がありましたが、2000年代に入ってから、幸せの価値観も少しずつ変化してきたと思います。「ミニマリスト」という言葉も流行りましたが、シンプルな生活をする人が増えてきたと思います。家庭の中できちんと整理収納ができるようになると、時間の整理、行動の整理、考え方の整理もできるようになり、メンタルにもよい影響を及ぼします。成熟化しつつある中国でも、いよいよそういう時代に入ってきたのではないかと感じています。

―ーおっしゃる通りだと思います。中国からの問い合わせというのは、いつごろから来るようになったのでしょうか?

澤氏:最初のお問い合わせは2016年の夏ごろでした。日本に住む中国の方からのお問い合わせで、当協会の概要を説明しました。その方は中国にある『STOSTO整理生活』という雑貨ブランドを製造販売する企業からの依頼で、当協会をわざわざ調べてきてくださったのです。その中国企業はメーカーで、同時に中国で「中国整理師協会」という団体を設立しました。整理師というのは、日本で我々がいっている整理収納アドバイザーのことです。中国でも、そのような需要が高まってきているというお話でした。ぜひ、当協会とコラボしたいということで、同年の年末に協会の幹部の方々が来日し、その方々のために整理収納アドバイザー2級(中国語版)の講座を実施しました。そこから、本格的な交流や展開が始まってきたという流れです。

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