中島恵の「中国最新トレンド事情」

2018年6月12日

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中島恵 (なかじま・けい)

ジャーナリスト

1967年山梨県生まれ。新聞記者を経てフリージャーナリスト。主な著書に『中国人エリートは日本人をこう見る』『中国人の誤解 日本人の誤解』(ともに日本経済新聞出版社)、『爆買い後、彼らはどこに向かうのか?』(プレジデント社)、『なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?』『中国人エリートは日本をめざす』(ともに中央公論新社)、『なぜ中国人は財布を持たないのか』(日本経済新聞出版社)、『中国人富裕層はなぜ「日本の老舗」が好きなのか』(プレジデント社)などがある。

定期的に中国を訪れていると、わずか半年前と比較しても、彼らの「生活の質の向上」を随所に見てとれる。最もわかりやすいのは“トイレ”だが、その他、スーパー、書店、病院などでも“小さな変化”を発見した。中国人の成熟化はとどまるところを知らない。

有人か無人か一目でわかるトイレの電光掲示板は非常に便利

国家を挙げて「トイレ革命」に取り組み中

 上海の高速鉄道(新幹線)駅となっている上海虹橋火車駅は広大なターミナルだ。毎日非常に多くの乗客が利用するが、4月末、このターミナル駅のトイレに行ってみて驚いた。入り口にこんな電光掲示板が掲げられていたからだ。「厠位智能引導系統」。日本語にすると、トイレの人口知能システム、といった感じだろうか。トイレのどこに空席があるかを一目で、色で識別できるようになっているのだ。

 トイレの外でまずこの電光掲示板をチェックして中に入る。すると、各トイレのドアの上にも「有人」「無人」の表示がある。これでダブルチェックでき、スムーズに空いたトイレに入ることができるというわけだ。私もこのシステムを東京駅など、都内のいくつかの場所で見かけたことがあり「便利だな」と思ったことがあったが、中国でもこのような取り組みが始まっていたことを知り、びっくりした。

各トイレのドアの上にも表示がある

 トイレといえば、こちらの記事(http://wedge.ismedia.jp/articles/-/11436)でも紹介したように、中国では国家を挙げて「トイレ革命」に取り組んでいるところだ。3年前の2015年から本格的にスタートし、現在は内陸部の観光地のトイレ整備に力を入れているといわれる。トイレの“国内格差”を縮めようとするもので、「汚いトイレがネック」だった内陸部への外国人観光客誘致にも役立つといわれている。沿海部の大都市ではさらに整備が進んでおり、前述したトイレで私が見かけたのは、鏡に天気予報や気温、都市名などが表示されるシステムだった。トイレの鏡をのぞき込むと、自然と目に入るように設計・デザインされていて驚かされた。

 また、洗面台の脇に液体せっけんが設置されるところも増えてきている。以前はせっけんがあると思い、手で押してみたけれど、中に何も入っていなかったり、そもそもせっけんが設置されていない洗面台も多かったが、最近ではこちらの写真のように、おしゃれなせっけん機(?)がセットされているのを見かける。温風乾燥機の設置も増えており、中国でここ数年増えてきた使い捨てのペーパーで手を拭かなくても、温風乾燥機で手を乾かす人が増えてきた。中国特有というべきか、給湯器の設置も以前より進んでいた。

洗面所の液体せっけんもおしゃれになった

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