定年バックパッカー海外放浪記

2018年7月8日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年生まれの62歳。横浜生まれ、神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

(2017.9.5~10.15 41日間 総費用18万9000円〈航空券含む〉)

ガラ君はどうしてニッポンへ

 ガラ君は大学でモンゴル文学を専攻。学生時代の8年前にミユキさんと知り合った。ミユキさんの姉は長年日本に住んでおり、妹は現在千葉県で大学に通っている。さらに叔母さんは米国在住という国際的家系である。そんなことからガラ君は日本行きを決めたようだ。ミユキさんも日本での生活にすぐ慣れて千葉県のアパート生活は最高に快適であったと何でも便利な日本を絶賛。

ガラ君一家のアパートで。テーブルにはミユキさんの手料理が盛沢山

ガラ君の生い立ちから見えてくるモンゴル社会変容の兆し

 日本から帰国後ガラ君は建設工事のパートタイマーをしていたが、12月から地元の大手鉱山会社への就職が決まっているという。エルデネトの街はソ連邦の援助で鉱山開発したときに企業城下町として建設されたという歴史がある。この鉱山会社はモンゴルでも有数の巨大企業である。

草原の真ん中のゲルで寝起きのオジサン。9月初旬でも夜中は零下に近い寒さ。モンゴルでは薪ストーブはこの時期では不要として使用不可能

 ガラ君の父親もエルデネトの鉱山関係の仕事をしていた。しかしガラ君の祖父は遊牧民であり今でも草原でゲルと呼ばれるテントで遊牧生活をしている。遊牧生活のなかで父親も育った。ガラ君はエルデネトという都会育ちであるが、子供の頃祖父から仔馬をプレゼントされ祖父から乗馬を習ったので乗馬は大得意と胸を張った。

 ガラ君によるとウランバートルの大都会では都市生活が三代も続いてガラ君と同年代でも乗馬が出来ない青年も増えているという。モンゴル社会でも徐々に遊牧民の伝統や価値観も薄れていってしまうのであろうか。

やっぱり日本車ですよ

ウランバートルの東バスターミナル近くのプリウス・センター。現代自動車を扱っているモンゴル人オーナーが、輸入したプリウスの中古車を整備して販売している。左下の2台もプリウスである

 前にも述べたようにガラ君は中古カローラを所有している。ガラ君によると10年くらい前までモンゴルでは韓国の現代自動車の中古車が大半であったという。モンゴルの自動車市場は現在でも中古車市場である。新車はほとんど見かけない。新車を販売する代理店も韓国の現代自動車くらいしか見かけなかった。韓国はモンゴルと同様に右側通行なので左ハンドル。それで価格も手頃なことから韓国製中古車が普及したという。

TOKYOと看板を出している日本車専門修理屋。中を覗くと5台のプリウスが並んでいた

 しかし過去5年くらいで日本製中古車が急速に普及して韓国車のシェアは激減した。日本製中古車は右ハンドルで値段は多少高いが、品質が良く故障しないと評判になり急増したようだ。旅行中の私の印象ではバス・トラックを除く乗用車・ピックアップトラック、SUV等においては日本車のシェアは70%近いのではないか。特にトヨタのプリウスの中古車は都市部では15%以上と異常な人気である。プリウス専門の中古車屋や修理工場があるほどの人気だ。

 白タクのドライバーに聞いたところでは、プリウスは燃費が良く故障しないので運転手仲間でもどんどんプリウスに乗り換えているという。

モンゴルの役人の汚職とゴミ問題は改善するのか

 ガラ君は現在のモンゴルではインフレが激しくインフレと賃金上昇が追い駆けっこしている状況。また政治家や役人のモラルが低く汚職が絶えない。そして社会全体がゴミ問題に無関心で公徳心が低い。日本と比較すると雲泥の差と嘆いた。

 振り返ると日本も50年前は現在のモンゴルと五十歩百歩ではなかっただろうか。賃金も上昇するが物価も上昇して庶民は働きづめ。選挙で多額の不明朗なお金が動くのが当たり前、黒い霧事件など汚職事件が新聞を賑わしていた。川崎駅も一歩裏通りに入ると立ちションとゴミが散乱していた。

 私はガラ君に50年前の日本の状況を解説。そして経済成長により生活が豊かになってくると、人々も余裕が出てきて政治や社会問題に関心を持つようになった。そして次第に汚職やゴミが減ってきたと説明。

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